もじゃさんはアトミューとよく読んでいます。和名は西瓜寿。レツーサ系なので寿と付きます。
マルシェなどのイベントでも光にかざしてにやにや眺めまくっているくらい好きな品種です。
育てるのが難しいと思われがちですが、ちょっとしたポイントをつかめば割と丈夫で元気よく育ってくれます。
アトロフスカミュータントの概要
アトロフスカミュータントは組織培養の中から枝変わりのものを単離して品種化させたものといわれています。
窓の形が特徴的でスイカみたいな条紋が入り、強い光が当たると光っているかのように見えるのがとっても佳きです。裏窓の大きく透けて見ごたえ抜群ですの。超好き。
アトロフスカミュータントの基本情報
- 植物名
- アトロフスカミュータント
- 学名
- Haworthia magnifica var. atrofusca Mutant 'Watermelon'
- 英名
- atrofusca Mutant 'Watermelon'
- 科名
- ツルボラン科
- 属名
- ハオルチア属
- 原産地
- 変異体
- 流通名
- 西瓜寿
- 成長型
- 春秋型
- 花言葉
- 挑戦 (と、もじゃさんは直感した)
ハオルチア アトロフスカミュータントの育て方
水やり
基本は「しっかり乾かしてからたっぷり与える」です。
土を満遍なく湿らせて注いだ水が流れ切った後、
鉢を持ち上げた時にしっかり水の重さを感じることができれば
オッケーです(※鉢植えを想定しています。)
目安としては
春~秋 7日に1回 (土がしっかり乾いてから3日後くらい)
夏冬 14日から20日に1回
アトロフスカミュータントは組織培養で葉変わりのものを単離した品種といわれています。そのためか、根の伸長や吸水力が普及種に比べていまいち弱いです。
窓の張り具合や艶感を見て水やりの頻度を調節してみてください。
根から供給される水の量が少ないと窓がしぼんできます。ちょっと艶がないかなーと思ったら水やりの間隔を短くしてみて様子見ましょう。
夏は気にすることは少ないですが、蒸れには気を付けましょう。午前中に水やりすると高温で根が焼けてしまうこともあるので、午後3時以降とか日の落ちてきた当たりがおすすめです。
CAM植物なんで日が落ちてから気孔が開くので若干吸い上げが良くなります。
冬は休眠期ですので、水の量は極端に減らしたほうが良いです。葉っぱには大量の水を含んでいるため、耐寒性が強いとはいえ油断すると凍ります
水やり直後が危険なので、天気や温度を気にしながら水を与えましょう。部屋の暖かいところに置いておくのが一番安全です。
植物の耐寒性は体内の水分量が少なくなることで凍りにくい体になっていますので、水をたくさんあげるとその状態が解除されてしまって凍ってしまうことがあります。なんだったら葉っぱがシワッシワになるまで水あげなくてもいいです。
また、アトロフスカミュータントは体内に水が少なくなってくると窓に表情がよく現れます。
水やりのタイミングは窓に表情が出る直前がベストですが、出てからでもまぁ大丈夫です。
葉っぱに張りがなくなってきたあたりが水やり適期かと思います。葉っぱが凹んできたら結構水が足りなくなってきています。
成長期にはここまで水を切らさない方が良いでしょう、生育に悪影響が出ます。休眠期は上述している通りこれくらいまであげなくても大丈夫です。
土について
乾燥に強く水が少なくても大丈夫、と言ってもある程度の保水力は必要ですのでバークチップのみ、ゼオライトのみのような極端な用土は避けたほうが良いと思います。
また、土の通気性も大事なので粘土質の土や粒子の細かい物を多用すると土の中で窒息してしまい根腐れの原因になります。
園芸店などで売っている多肉植物用の土を買えば間違いないです。自分でブレンドしたい!という方は以下の分量を目安にすると良いと思います。
赤玉土(小粒)5:パーライト3:腐葉土2
ハンギングにする時は、軽量化のためピートモスやバーミキュライトやパーライトなどの軽い物を多めに入れると良いです。
スーパーやホームセンターの園芸コーナーなどにある「花と野菜用の培養土」「観葉植物用の培養土」は肥料が入っていることが多いので使う時は注意してください。
慣れていないと根痛みしやすいので、初心者や何もしてないけどよく枯れる。という人は肥料分の入っていない用土がおススメです。
肥料について
春から秋にかけて旺盛に成長しますので、月1回与えると、元気に育ってくれます。
夏と冬は肥料を与えない方が良いと思います。この季節は休眠期なので夏は肥料が残ると腐敗の原因になり、冬は肥料を吸収せず残ったままになり、どちらも根を痛める可能性が高くなります。
基本的に多肉植物は肥料を多く必要としません、小食なのです。
なので、多量の肥料は根がすぐ傷みます。
植込みの時に入れる肥料や置き型の肥料は使わず、液体肥料がおすすめです。
屋内や日当たりにあまり自信がないところでの管理の場合は、与えるときは既定の希釈倍率よりもさらに倍の薄さであげると日焼けしたり徒長したりしにくくなります。
例:規定濃度 1000倍希釈→2000倍希釈で与える。
アミノ酸やビタミン、ミネラルなどを多量に含む有機発酵肥料は用法用量を守れば
効果は絶大でモリモリ育ってくれます。
たまーに、勢いがつきすぎて生殖成長である花を咲かすということをせずに、
栄養成長である葉っぱを伸ばすことしかしなくなることもあります。
ヤフーショッピングや楽天市場などでも販売しているゲキハナさんのゲキ力という活力剤はよく使っています。
いずれも肥料ではないので窒素・リン酸・カリウムの成分がほぼ入っていないので根痛みがしづらく元気のないときや、花芽の出るときなどここぞという時に使いやすいです。
病害虫
コナカイガラムシ
-
高温時に発生しやすいです。一度大量発生すると完全駆除が難しいため速やかな対応が必要です。
成虫になると体をワックス状の物質で覆うため農薬が効きにくく、葉の付け根や茎の生え際など狭いところに隠れるためほんと厄介。まじで(怒
これはセンペルビウムの根元で増えてしまったカイガラムシ。わかりやすいので別の植物で説明しています。
掘り返さないと見つからないので、ここで増えたのが葉っぱで目撃されます。
だから、しっかり増えてから葉っぱに出てきているので見つけた時には手遅れ気味です。
残念です。
さらに、分泌物がスス病を誘発するため殺虫剤だけで対処できなくなるので、要注意です。
有効な農薬:ダントツ水和剤(4A)、モスピラン(4A)、コルト水和剤(9B)、アプロード(16)、マシン油(未)など
※()の中はRACコードです。
対処法は、まずは物理除去です。ブラシや布で徹底的に除去します。
卵が孵化するには約1週間かかり成虫になるまでに4週間かかります。
幼虫の間に農薬で駆除しなければならないので、毎週1回農薬散布をするのがベストです。
既定の濃度の農薬を霧吹きなどに入れて植物全体に、特に葉っぱの裏や葉柄の付け根などは
念入りに散布します。また、既定の濃度よりも10倍薄い溶液を作り土全体にかける処理をすると土壌の卵の駆除に役立ちます。農薬への耐性がつくのを避けるため、1回ごとに使う農薬を変えるとより効果的です。
例 マシン油→スプラサイド→アクテリック→マシン油→…
(かなり細かい話になりますが、作用機序の異なる農薬を順番に使うとなお良しです。)スス病は細菌性の病気なので、上記にあるような殺虫剤は効果がないので殺菌剤を使います。
100倍希釈くらいの木酢液も被害を抑える効果があります。
ハダニ
高温で乾燥していると葉について吸害を起こします。株の元気がなくなり、かさぶたのような傷跡がたくさんできます。
葉っぱの裏に特に出やすいです。
虫自体は弱いので強い水流の水で洗い流すだけでも対処はできますが、隙間などに隠れている奴や土の中にいるやつらは対処できませんので農薬をしっかり使いましょう。
また、世代交代が早く薬剤耐性が付きやすいと言われているので同じ薬剤をずっと使うのではなくローテーションで数種類の農薬を使っていきましょう。
多肉植物が属する観葉植物に適用があってダニに効く農薬は
ベニカXファインスプレー(IRAC: 3A、4A、FRAC:9 )
created by Rinker¥957 (2024/12/03 20:23:38時点 楽天市場調べ-詳細)マラソン乳剤(IRAC:1B)
いずれも住友化学園芸さんの商品です。いつもありがとう!
バロックフロアブル
created by Rinker¥867 (2024/12/03 09:14:49時点 楽天市場調べ-詳細)こちらは協友アグリ株式会社さん!IRACコードは10B
ペンタック水和剤
アグロ カネショウさんでIRACコードは2A。遅効性で長期間発生を抑える性質があるので発生初期に効果的です。
ちなみに、よく言われるオルトランは観葉植物に適用のある商品でダニ類は適用病害虫に入っていないのよね~、要注意です。
●アーリーセーフ(有効成分:脂肪酸グリセリド IRACコードなし)
天然物(ヤシ油)由来の有効成分で、有機JAS規格(オーガニック栽培)でも使用可能なダニ剤があって、野菜類やハーブのハダニ、アブラムシ、コナジラミ、うどんこ病の防除に効果的です。
農薬で手が荒れたり体の調子が悪くなる人はこれがおススメかも
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増やし方
葉挿し…葉っぱを付け根から取って土に置いておくだけで発根し成長します。生育がゆっくりなので根が出るまでに体力が尽きて枯れることもあるので大きめのしっかりした葉っぱで成長期にやると良いですね。
3cmくらいになる大きい葉っぱだとその後の生育が早いのである程度大きい物でやることをお勧めします。
また、SNSでよく先祖がえりをすると言われています。葉挿しから出てきた子株がアトロフスカだった、みたいなことがあるようです。
胴切り…大きくなった株の芯の部分を切り取り強制的に子株を出させる手法です。
ある程度株が大きくないとできなくて、根っこの付いている方の親株部分に葉っぱは少なくともぐるっと一回り残しておくと、光合成もある程度できて子株を出す体力を確保できます。
挿し芽の場合、切り口から細菌感染し壊死してしまうことがあるので、切り取った後は風通しの良い日陰で2~3日乾かしておくと良いです。
株分け…アトミューは分頭しやすく、双頭になっているものもよく見かけます。なのである程度の大きさになったら根元から切り離し株分けが可能です。
ただし、形が崩れるのでかっこいい形になるまでは少し時間がかかる仕立て直しになるでしょう。
耐寒性
条件にもよりますが、霜や夜露に当たらなければ-5度まで耐えられます。普段の生育環境によっては窓が白く凍ることもあります。
葉先が凍っても成長点のある芯が無事なら大丈夫。
室内で穏やかな環境で日当たりも悪い場合は、5度を下回るようになったら保温対策を考えましょう。
日当たりについて
比較的日当たりの良いところを好みます。あまり光が弱すぎると徒長して窓の隙間から葉の肌が見えるようにニョーーンと葉が伸びます。
ただし、夏の直射日光は葉焼けの原因になるので75%くらいの遮光ネットやよしずを使って管理すると安全です。
ハオルチア アトロフスカミュータントの育て方 まとめ
鈍色に光る窓がかっこいいアトロフスカミュータントは一時期はえらく高価でしたが2023年だいぶ価格が落ち着て入手しやすくなりました。
育ててみた感覚としては、発根や根の伸長が遅い、根の吸水力が弱い、そのくせお水が好き、すぐ窓の艶がなくなる、なかなかふっくらしない、という特徴があるかなと思います。
こう書くとなんか育てづらいみたいに感じますね。
でも、丈夫ではあります。
少なくとも20株以上は面倒見ましたが、1つも根腐れしたり病気になったりで枯れるものはありませんでした。
コツとしては窓の艶感とふっくらい具合をよく観察して水の減り方を把握しましょう。
しっかり乾かしたときにどれくらいの日数で艶がなくなるかを記録すると水やりのタイミングと量が計れてきます。
一度根がだめになっても水耕栽培で復活させることもできるので気軽にチャレンジしてみてください!
育て方に不安がある場合はもじゃさんのLINE公式アカウントからご相談くださいませ。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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