子宝草の育て方 食べるときはちょっと注意ですよ

子宝草の育て方 食べるときはちょっと注意ですよ

子宝草幼株子孫繁栄の象徴として有名で妊活のお守りとしても親しまれています。
その名の通りめっちゃ増えるので大きめの葉っぱから子株が数十株取れることもあり、
油断していると周りの鉢や地面に子株が零れ落ちて大変なことになります。

ちなみに、もじゃさんのところはこぼれた子株で子宝草の森ができました。
霜にはとことん弱いですが、育てやすく増えやすいため初心者にはお勧めです。


子宝草の概要

常緑多年草の多肉植物で、葉縁は鋸歯型で葉序は対生です。開花時期は4月から11月で通年とされていますが、何かスイッチが必要なようです。

多肉植物の中でもポピュラーな品種で鉢の大きさによってはかなり大きくなるため観葉植物としても楽しめます。しかし、蒸れと低温には弱いため夏は半日陰、冬は室内での管理、もしくは寒冷紗やビニールや敷き藁など保温対策が必要になります。

子宝草の基本情報

植物名
子宝草
学名
Kalanchoe creanta × daigremontiana
英名
Kalanchoe creanta
科名
ベンケイソウ科
属名
カランコエ属
原産地
マダガスカル島、南アフリカ、東アフリカ、ソコトラ島、インド、マレー半島、中国など
流通名
コダカラソウ、クローンコエ、セイロンベンケイソウ
成長型
夏型
花言葉
子孫繁栄

子宝草 育て方 夜の子宝草
子宝草 育て方 花の写真

育て方

水やり
水やり基本は「しっかり乾かしてからたっぷり与える」です。
土を満遍なく湿らせて注いだ水が流れ切った後、鉢を持ち上げた時にしっかり水の重さを感じることができればオッケーです(※鉢植えを想定しています。)目安としては
春~秋 10日に1回 (土がしっかり乾いてから3日後くらい)
冬   14日から20日に1回子宝草は寒さにも弱いが蒸れにも弱いです。
水やりには少しコツがいります。寒さ対策の水のやり方としては、「水やりの翌日から3日後くらいまで冷え込みが少ないと予想される
当日午前中に少量(土が軽く湿るくらい)あげる。」

です。

梅雨時から秋雨までの暑く湿度が高い日が続くと予想されるとき

「午後3時以降にしっかり水を上げて風通しを良くしておく
水やり後は特に直射日光には当たらないようにする。」

という感じです。

子宝草は特に根腐れのしやすい品種なので、
受け皿を使う場合は降雨などの雨水や水やり後の流れ出たものが
溜まったままにならないように気を付けましょう。

土について

土乾燥に強く水が少なくても大丈夫、と言ってもある程度の保水力は必要ですのでバークチップのみ、ゼオライトのみのような極端な用土は避けたほうが良いと思います。また、土の通気性も大事なので粘土質の土や粒子の細かい物を多用すると土の中で窒息してしまい根腐れの原因になります。

園芸店などで売っている多肉植物用の土を買えば間違いないです。
自分でブレンドしたい!という方は以下の分量を目安にすると良いと思います。

赤玉土(小粒)5:パーライト3:腐葉土2
ハンギングにする時は、軽量化のためピートモスやバーミキュライトやパーライトなどの軽い物を多めに入れると良いです。

肥料について
春から秋にかけて旺盛に成長しますので、月1回与えると、元気に育ってくれます。
 
基本的に多肉植物は肥料を多く必要としません、小食なのです。
なので、多量の肥料は根がすぐ傷みます。植込みの時に入れる肥料や置き型の肥料は使わず、
液体肥料がおすすめです。多肉植物・サボテン用か観葉植物用のものを使うとよいです。
 
与えるときは既定の希釈倍率よりもさらに倍の薄さであげましょう。
 
例:規定濃度 1000倍希釈→2000倍希釈で与える。アミノ酸やビタミン、
 ミネラルなどを多量に含む有機発酵肥料は用法用量を守れば
効果は絶大で花の大きさや数、葉っぱの色つやの向上がすごいです。
 
たまーに、勢いがつきすぎて生殖成長である花を咲かすということをせずに、
栄養成長である葉っぱを伸ばすことしかしなくなることもあります。
 

病害虫
害虫 … アブラムシ、ナメクジ、ヨトウムシ
病気 … 青枯れ病、灰色かび病、うどん粉病
青枯れ病、灰色かび病は発病後の完治は困難なので速やかに株を処分する。
 
周囲の鉢や株などへの感染を防ぐためにアグリマイシンやボルドーZなどの殺菌剤で防除する。
子宝草は病原菌の侵入に弱く、高温多湿期によく発症する。
 
日ごろの予防法としては、換気をよくすることが第一です。
アブラムシやコナジラミ、ハダニなどの樹液を吸って植物に害を及ぼすもの、
ナメクジやヨトウムシのように直接食べてくるもの等が周囲で発生していないか確認する。
 
細菌は小さな傷口からでも侵入してくるので、
定期的に木酢液やニームエキスなどの昆虫忌避剤を撒いておくと良い。

病原菌は主に土の中にいるので、水やりの際に土や小石がはねて茎を傷つけないように
静かに水やりをするとよいと思います。
 

増やし方
子宝草子株アップ葉挿し … ほぼ不可能
挿し穂 … かなり難易度が高い
子宝草の増やし方は葉っぱにできる子株を使ってやるのが一番確実で増やせる方法です。
耐寒性
かなり弱いので外気温5度を下回る場合は室内に取り込みましょう。
 
日当たりについて
生育が旺盛なので日当たりの良い場所を好みます。
 
できるだけ長い時間日光に当たるように心がけると葉っぱが大きくなり
子株がたくさん取れるようになります。また、子宝草も紅葉し葉っぱの縁が赤くなります。
晩秋までのどれだけ光合成できたかがポイントになりますのでしっかり光合成させてあげてください。
ただし、夏の直射日光は強すぎるので日光の強さを半分くらいに遮光した
場所においてあげると良いです。
遮光はヨシズや農業用遮光ネット、寒冷紗などで出来ます。
遮光ネットなどの設置が難しい場合は半日陰に置くと良いです。
日当たりの如何で姿がこんなに変わってしまいます
 

★日当たりの良いところの子宝草
子宝草 日当たり良いところ

★ずーっと日陰のところの子宝草
日陰の子宝草

日陰の子宝草 葉


日陰の方の奴は葉っぱが全然違います、ワックス質でデローンと
垂れていてきれいなエメラルドグリーン。
 
日当たりの良い方は葉っぱが立ち上がり少し閉じ気味です、
葉の表面が燐毛か粉か分かりませんが白い物質でうっすら覆われています。
さらには葉の縁に赤い斑が出ています。

これは同じ親株からとれたものです。といってもたぶん代は玄孫くらい。
たぶん、知らん人が見たら同じ子宝草とは思わないでしょう(´・ω・`)
育つ環境でこんなにも変わってしまうから不思議ですよね~

ちなみに、日陰で育った方の葉っぱの味は

クッソ苦ぇ

子宝草のウンチク

子宝草≠マザーリーフ

まずはじめに、正確にいうと子宝草はマザーリーフではありません。マザーリーフとして流通しているものはセイロンベンケイソウと言い子宝草とは別の品種になります。

じゃあ子宝草って?

セイロンベンケイソウと胡蝶の舞の交配種です。なので学名がKalanchoe creanta × daigremontianaとなっています。
胡蝶の舞×セイロンベンケイソウと書いてあるようです。
胡蝶の舞の雌しべにセイロンベンケイソウの花粉を付けて交配種を作り出したと思われます。

Kalanchoe creanta → 胡蝶の舞

daigremontiana → セイロンベンケイソウ=子宝弁慶草

子宝弁慶草?

子宝弁慶草コダカラベンケイ(Kalanchoe daigremontiana)は、リュウキュウベンケイ属に属する植物。葉にブファジエノライド類の強心配糖体であるダイグレモンチアニンを含む[1]。強心配糖体とは↓
陽性変力作用
心筋の収縮力を増大し、心拍出量を増大させる。それとともに腎血流量が増加する結果、利尿作用をもたらす。この作用は浮腫を軽減させる効果がある。

陰性変時作用
迷走神経興奮、洞房結節のアセチルコリン感受性が増大し、心拍数が低下する。心不全時は頻脈を抑える効果がある。

変伝導作用
房室結節での伝導を抑制する。

力を入れる場所を間違えましたが、
葉っぱの先がとがっていて付け根にギザギザの返しがあるものが子宝草で、
葉っぱの先が丸く反り返っているものが子宝弁慶草という見分け方があります。

細かい違いはあるのですが、流通しているものはごっちゃになっているので非常にわかりずらいです。

おそらく、花の色が赤で灯篭のように見えるものが子宝草で、
黄色の小判状の花を咲かせるものが子宝弁慶草かと思われます。
あとは子宝弁慶草には葉っぱの縁に赤い斑が入っていたりします。

食べた時の味も違うのだろうけど、
うちの温室にあるのは子宝草なので
子宝弁慶草を仕入れ次第食レポをしてみたいと思います。

とりあえず子宝草だけ食べてみた

レシピ
・子宝草の葉っぱ 6枚
・ニンジン 50g
・玉ねぎ 半玉
・キャベツ 適量

上の材料を適当に切り、温めたフライパンにごま油を適量入れざざっと
材料を入れて塩コショウとオイスターソースを適当にかけて味を調えます。
味が締まらないなーと思ったら適当な量の粒状味の素を入れます。

全体に火が通ったところで完成です。

↓実際に子宝草を入れて完成したもの(緑の部分が子宝草。)

子宝草の野菜炒め

子宝草の葉っぱは火を通すとすごくしんなりするので量が減りますが存在感はあります。
苦味で存在をアピールしてきます。

ゴーヤのような苦みなので、上記の野菜炒めに卵を混ぜてゴ
ーヤチャンプルーみたいに仕上げると丁度良い味のバランスになると思います。

子宝草の味について

先ほど、日陰で育った葉っぱはくそ苦ぇと書きました。
日向で育ったものは日陰のものに比べ苦味も少なく、少し酸味がありました。

やはり光合成産物が味に多大なる影響を及ぼしているようです。
日向で育ったものでも、朝と夜で味が全然違います。

それは子宝草の代謝がCAM型だからと考えられます。
夜間に気孔を開け、二酸化炭素を取り込みリンゴ酸として炭素固定をする。
日が出始めた頃に、リンゴ酸を消費し光エネルギーででんぷんに同化させる。

リンゴ酸が子宝草の、というよりは多肉植物の味の酸味に重要な役割を果たしているので
個人的には日が落ちた頃から夜明け前までに収穫した葉っぱが美味しいと思います。
中でも深夜のリンゴ酸が溜まりきった時のが一番好きですw

子宝草を凍らせた話

2018年の冬にボケーっとしながら温室で作業していて、
何をおもったのか、つい、水やりをしてしまいました(´・ω・`)

意味わかんないですよね。

そして運悪く(?)その夜から未明にかけて厳しい冷え込みになりました。

そしたらこの様です。

凍害 子宝草

 

白く変色しているところは凍ってしまって細胞が死んでしまった部分です。

凍害が起こると、細胞が膨張し破裂してしまいグニャグニャになってしまいます。
放っておくと細胞の防御力はゼロなので雑菌が感染して
対象の株はおろか周辺にまで悪影響を及ぼしてしまいます。

なので、凍ってダメになってしまった場所はとっとと撤去です。すまぬ(´・ω・`)

ということで、子宝草に限らずですが、水をかけると耐寒性が著しく低下し
凍害を起こしやすくなりますので注意してくださいね。

ちなみに、他にもペルシダや不死鳥、アンボイニクスが致命傷を負いました。
ぎりぎり復活できそうですがかなり痛かったですorz

↓子宝草と同様に低温障害を起こしたペルシダ

凍害 ペルシダ

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