こんにちは、千葉県香取市で多肉植物を生産販売するもじゃさん工房のもじゃさんです!
紫オブツーサはハオルチアの中でも特に人気ですよね♪
綺麗な紫色の肌につやつや透明の窓、美しいです。
でも、紫色にならないとか、窓が曇るとか悩んでる方も多いですね。
今回は紫オブツーサを綺麗に育てるコツを紹介します。
また、紫オブツーサと紫オブトの違いなど気になる疑問にもお答えしています!
水耕栽培で涼しげな器で育てればお洒落なインテリアにもなりますよ。
綺麗に育てるポイントを押さえて部屋に癒しスポットを作っちゃいましょう
では、紫オブツーサの育て方をどうぞー\( 'ω')/
紫オブツーサの概要
ジュエルプラントやクリスタルプラントのような流通名が付くのも、紫オブをはじめ窓が大きくて透け感のある品種の影響が大きいですね。
紫オブツーサの中でも多少差はありますが、あまり縦にも横にも大きくならず、直径5~6cmでコンパクトに仕上がります。
紫オブトでドドソン紫オブツーサといわれるのは大きくなりやすく直径8㎝くらいまでは育ちます。
色形の維持が少し難しいので初心者は敬遠しがちですが、基本は一緒なのでどんどんチャレンジしてほしい品種の一つです。
紫オブツーサの基本情報
- 植物名
- 紫オブツーサ
- 学名
- Haworthia cooperi var. truncata
- 英名
- Haworthia obtusa
- 科名
- ツルボラン科
- 属名
- ハオルチア属
- 原産地
- 南アフリカ ケープ州
- 流通名
- 紫オブト、紫イクラ、紫玉露
- 成長型
- 春秋型
- 花言葉
- 小さな恋
紫オブツーサの育て方
紫オブツーサの難しいところはつやつや窓を透明に保ちながら綺麗な紫の肌にすること。
肌の色→よく光合成させること、乾燥ストレスを適度に与えること
窓の透明感→少し暗いから窓を透けさせてたくさん光を取り込めるようにしよう
「肌をきれいな紫にする」「窓も透明にする」
「両方」やらなくっちゃあならないってのが「紫オブ」のつらいところだな
覚悟はいいか?オレはできてる
水やり
基本は「しっかり乾かしてから与える」です。
土を満遍なく湿らせて注いだ水が鉢の底からちょろっと出るくらいの量が良いです。使っている土や鉢の種類にもよりますが、土の量の半分くらいの水の量がイイですね。
鉢を持ち上げた時にしっかり水の重さを感じることができれば
オッケーです(※鉢植えを想定しています。)
目安としては
春~秋 7日に1回 (土がしっかり乾いてから3日後くらい)
冬 10日から20日に1回
生育旺盛で緩慢ですが、水が多くなるとすぐに徒長しますので水は控えめの方が締まったかっこの良い株になります。
葉っぱには大量の水を含んでいるため、耐寒性が強いとはいえ油断して寒いときに水やりすると凍ります。冬は休眠期ですので、水の量は極端に減らしたほうが良いです。
植物体内の水分量が少なくなることで凍りにくい体になっていますので、
水をたくさんあげるとその状態が解除されてしまって凍ってしまうことがあります。
なんだったら葉っぱがシワッシワになるまで水あげなくてもいいです。
また、紫オブツーサは体内に水が少なくなってくると窓が萎れ肌が赤茶けてきます。
水やりのタイミングは慣れればつかみやすいです。
土がしっかり乾いていて窓に張りがなくなり少しすりガラスのようになったあたりが水やり適期かと思います。
葉っぱや窓の縁が凹んできたら結構水が足りなくなってきています。
成長期にはここまで水を切らさない方が良いでしょう、生育に悪影響が出ます。
休眠期は上述している通りこれくらいまで上げなくても大丈夫です.
土について
乾燥に強く水が少なくても大丈夫、と言ってもある程度の保水力は必要ですのでバークチップのみ、ゼオライトのみのような極端な用土は避けたほうが良いと思います。
また、土の通気性も大事なので粘土質の土や粒子の細かい物を多用すると土の中で窒息してしまい根腐れの原因になります。
園芸店などで売っている多肉植物用の土を買えば間違いないです。
自分でブレンドしたい!という方は以下の分量を目安にすると良いと思います。
赤玉土(小粒)5:パーライト3:腐葉土2
ハンギングにする時は、軽量化のためピートモスやバーミキュライトやパーライトなどの軽い物を多めに入れると良いです。
肥料について
春から秋にかけて旺盛に成長しますので、月1回与えると、元気に育ってくれます。
夏と冬は肥料を与えない方が良いと思います。
この季節は休眠期なので夏は肥料が残ると腐敗の原因になり、冬は肥料を吸収せず残ったままになり、どちらも根を痛める可能性が高くなります。
基本的に多肉植物は肥料を多く必要としません、小食なのです。
なので、多量の肥料は根がすぐ傷みます。
植込みの時に入れる肥料や置き型の肥料は使わず、液体肥料がおすすめです。
多肉植物・サボテン用か観葉植物用のものを使うとよいです。
与えるときは既定の希釈倍率よりもさらに倍の薄さであげましょう。
例:規定濃度 1000倍希釈→2000倍希釈で与える。
アミノ酸やビタミン、ミネラルなどを多量に含む有機発酵肥料は用法用量を守れば
効果は絶大でモリモリ育ってくれます。
たまーに、勢いがつきすぎて生殖成長である花を咲かすということをせずに、
栄養成長である葉っぱを伸ばすことしかしなくなることもあります。
病害虫
紫オブツーサはあまりついているところを見たことがありませんが、よく出やすい害虫はハダニとカイガラムシです。
病気もかかったことはほどんどないですが、肌の柔らかい多肉植物ということで軟腐病に気を付けてください。
ハダニとカイガラムシの防除の仕方はこちらに詳しく書いてあります。
多肉植物の害虫対策 農薬の正しい散布方法や使い方とは?多肉を育てる必須知識です!
増やし方
葉挿し…葉っぱを付け根から取って増やすこともできますが、かなり時間がかかります。胴切りの際に処理した葉っぱで試すとよいと思います。
葉っぱが小さいと時間はかかり根や芽が出るまでに萎れてしまいます。
また、水苔や水耕栽培用のキットに置くときは切り口をしっかり乾かしてから設置しましょう。傷口から腐っていきやすいです。
1か月から2か月くらいかかるので気長に待ちましょう。
胴切り…頭の部分を土に置いてておくと2週間程度で発根しそのまま成長します。
ただ、紫オブツーサは葉が密に詰まっているため、通常の方法では胴切りは難しいです。徒長した時の仕立て直しに使うと良いと思います。
大きくなった株の途中の葉っぱを4~5枚付け根からきれいに取り、露出した茎の部分を細くとがったナイフのようなもので刺し切ります。
挿し穂と株元は切り口から細菌感染し壊死してしまうことがあるので、
切り取った後は風通しの良い日陰で2~3日乾かしておくと良いです。
無理に胴を切断しなくても、成長点をつぶせば子株が出てくるようになるので中心部にある成長点だけ抉り取るように処理しても良いですね。
株分け…この方法が一番リスクが少なく、操作も簡単です。5㎝以上になると子株を作り出します。株元にできやすいので、あまり大きくなりすぎる前にとって子株を育てましょう。
葉が4~6枚くらいになれば独立しても予後が良いです。セルトレーに植えると管理しやすいです。
耐寒性
条件にもよりますが、霜に当たらなければ-5度まで耐えられます。
5度を下回るようになったら保温対策を考えましょう。
日当たりについて
やわらかい光に長時間当たるのを好みます。しっかり日光に長時間当てると色づきも良くしまった株になります。強すぎると窓が曇ってきます。つやつやが良い人は弱光下がよいでしょう。
目安としては15000ルクスを6時間以上です。
ただし、夏の直射日光は葉焼けの原因になるので90%以上の遮光下で管理すると安全です。
紫オブツーサの育て方お役立ち情報
紫オブツーサは窓の透明感と肌の色を両立させるのが難しいと思われています。
ポイントを押さえていればきれいに仕上げられますよ!
肌を紫色にする方法、窓を透明にする方法、それらの丁度いい環境を調べる方法についてまとめましたので参考にしてみてください。
紫オブツーサが紫色にならないのはなぜ?
色素を作って体を守る必要がないからです。アントシアニンやポリフェノールなどの赤や赤紫の色素は環境ストレスから植物を守るために作られます。
水が潤沢にあって、日射量もほどほどだと色素作ってるコストがもったいないので緑色でもりもり大きくなります。
春秋の穏やかな時に緑色になっていることが多いですね。
乾燥や強光での強すぎるストレスは赤茶けてくるので、きれいな紫にするには適度なストレスをかけてあげるとよいでしょう。
紫オブツーサの窓をつやつやの透明にしたい
ハオルチアはすりガラス状の窓を使い、原産地の強すぎる光を遮光し乱反射させて葉の中に取り込み光合成をします。
そのため、日光が強すぎると感じれば窓を曇らせ、少し足りないなと感じれば透明度を上げます。
日光不足は徒長の原因にもなりますので、微妙な調節が必要ですね。
紫オブツーサの徒長した姿がこれです。
これは日の当たらない事務所で水耕栽培していた紫オブツーサの成れの果て。
でも、窓の透明感はすごいです。
紫オブツーサのレンズつやつや、きれいな紫を作る方法
この基準は絶対値ではなく相対値なのが難しいところで、屋内・屋外でも条件が変わってきます。
- 置いている場所
- 気温
- 日射量
- 水やりの間隔
- 水やりの量
- 土の種類
- 鉢の種類
などの今育てている環境をもとに調節してください。
水やりのところでも書きましたが、水が少なくなってくると窓の張りがなくなりますのでそのタイミングと量を維持しながら光線量を変えていってください。
常に水の加減を一定にしていれば、光の量の影響が分かりやすいです。
そのためにおすすめなのが植物用LEDライトと照度計、電源タイマーです。
最初の一回感覚をつかんでしまえば後は応用なので、ぜひ試してみてください。
照度計でルクスを測りながら水やりの量と間隔・日射時間をキープする→窓の具合を観察する→透明感が足りなければ少しライトを遠ざける→透明感は出たが肌が緑色になってきた→ちょっとライトを近づけるか日射時間を増やす→丁度良いところが見つかるまで試行錯誤
です。
レッツトライ!
紫オブツーサの雑学
ホームセンターや園芸店、専門店でも色んなハオルチアが流通していて同じような見た目のものが多く、これってオブツーサ?みたいになることも多いですよね。
紫オブツーサについてちょっと深堀してみます。
紫オブツーサと紫オブトとの違い、ドドソンって何?
あと、食べた時の味も。
紫オブツーサのあれこれを知ってみましょう!
紫オブツーサと紫オブトの違いとは?オブツーサの種類について
紫オブツーサと紫オブトは実は一緒のものを指しています。
紫オブツーサと言われているハオルチアは、原種はHaworthia vistaの一種で紫オブトとして名づけられたものでした。
ハオルチアの人気が高まるにつれて色んな品種が出てきて窓が大きくて透けているものをオブツーサと呼ぶようになりました。
というのも、以前はHaworthia obtusaという学名が存在しており、obtusaは『丸みを帯びた鈍形の』という意味のため窓が丸みを帯びていて透明度の高いものがそう呼ばれるようになったので俗称として オブツーサの名が残っていると考えられます。
現在ではシンビフォルミスとクーペリーの変種や交雑種のものが多いと思います。
なので、紫オブツーサというのは植物学の正式な分類名ではなく、趣味者やコレクター間での呼び名が定着したものなのです。
紫オブトが正式名称で直径8cm以上になる完全無毛(無禾)、丸頭で、帯紫色のオブト類と定義されています。
オブツーサの種類について
ちょっと余談なのですが、オブツーサっていっぱいありますよね。
学名での分類は大きく分けて2タイプあり、H. cymbiformis var. obtusa と H. cooperi var.truncata です。
シンビフィルミス系は葉っぱが筒状になっており、肌の色は明るめの緑、条理が葉先まで伸びているのが特徴です。
クーペリーは葉っぱに明確な折り目みたいのがあります。また、肌は暗めの緑から青みを帯びた緑などトーンは暗めです。葉先はつるつるなのも特徴です。
名称でのざっくりとした分け方は
- 無禾で葉先が丸い大型個体は紫オブト(H. vista)
- 葉先の丸い小型個体はイクラ類(玉露)
- 葉先のとがったものはオブツーサ
とされています。
よく見かける斑入りのものでは紫オブトが相手に使われています。
マリンは宝草錦x紫オブト、京の花火は京の華錦x紫オブトです。
紫オブトを戻し交配したと思われる斑入りが多数流通しており、もう何が何だか状態です。
この交配は再現性が高いのでお好みの個体を作出できるかもですね。
ドドソン紫オブツーサって何?
この名前も良く聞きますよね。ドドソンとは、その界隈では著名なコレクターのドドソンさんの集めた品種につく冠名なのです。
ドドソン紫オブツーサはHaworthia ‘Dodson Purple’やOB-1という別名もあり、窓の透明度が高く、濃紫に染まるのが特徴です。
紫オブツーサを食べてみた
見た目が涼しげでプリプリしているので食べたくなります。
ということでずいぶん昔に食べてみました。
色んなハオルチアの味を確かめてみた記事はこちらです。
1株数万円!? 噂のクリスタルプラント-ハオルチア-を食べてみた
ちなみに、紫オブツーサは食べやすいです。少しぬめり気がありますがえぐみは少なかったです。
紫オブスーサの育て方 まとめ
とにかくちょっと暗めの光に長時間当てることが重要です。
徒長してくると上から見ると窓の間から葉っぱの緑色が見えてくるようになります。
そんな様子が見られたら光を強くするか水の量を少なくするかで調整してください。
丁度いい環境を見つけるには1株だけでは見つけきれないと思いますので、何株もまとめて管理すると自分に合った環境と管理方法を見つけやすいですよ!
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