クラッスラ 紅稚児 ~多肉植物の育て方~

クラッスラ 紅稚児(べにちご)は季節や育て方によって様々な姿を見せてくれて、
花も比較的簡単に咲かせるので女性からの人気がうなぎのぼりです。
 
紅葉すると真っ赤に染まり非常に見ごたえがあります。
 
また、もじゃさんは寄せ植えを作る際に大変お世話になっており、
頭が上がらない次第でございます。
小ぶりで挿しやすいので隙間を埋めるのに重宝しております、いつもありがとう。
 

クラッスラ 紅稚児の概要

茎は常時赤味を帯びていて、葉は厚味のあるヘラのような形で茎に対生します。晩秋頃~冬場にかけて真っ赤に紅葉するので英名ではRedcarpetと呼ばれるほど鮮やかです。

春には茎上部の葉の脇から花茎を伸ばして集散花序(枝先に花がつき、その下から枝が出て花をつけることを繰り返すタイプの咲き方をするもの)を出し、白色の小花を多数つけます。比較的簡単に花を咲かせるので群生させるときれいですよ^^

基本情報

植物名
紅稚児
学名
Crassula pubescens ssp. radicans(=
英名
red carpet
科名
ベンケイソウ科
属名
クラッスラ属
原産地
アフリカ
流通名
紅稚児、クラッスラ紅稚児、クラッスラ・ラディカンス
成長型
春秋型
花言葉
no data

クラッスラ 紅稚児の育て方 見た目 

育て方

水やり

水やり基本は「しっかり乾かしてからたっぷり与える」です。

土を満遍なく湿らせて注いだ水が流れ切った後、
鉢を持ち上げた時にしっかり水の重さを感じることができれば
オッケーです(※鉢植えを想定しています。)

目安としては
春~秋 7日に1回 (土がしっかり乾いてから3日後くらい)
冬   14日から20日に1回

生育旺盛が遅い品種なので、水をたっぷり与えすぎて乾かないうちに水を与えてしまうと徒長して形が悪くなったり、根っこを傷める原因になりますので水は多少控えめにした方が締まったかっこの良い株になります。
また、水をあげすぎると葉っぱが落ちやすくなります。

葉っぱには大量の水を含んでいるため、耐寒性が強いとはいえ油断すると凍ります。
冬は休眠期ですので、水の量は極端に減らしたほうが良いです。

植物体内の水分量が少なくなることで凍りにくい体になっていますので、
水をたくさんあげるとその状態が解除されてしまって凍ってしまうことがあります。
なんだったら葉っぱがシワッシワになるまで水あげなくてもいいです。

また、紅稚児は体内に水が少なくなってきてもあまり表情を変えないので、
水やりのタイミングがつかみにくくもあります。
葉っぱに張りがなくなってきたあたりが水やり適期かと思います。
葉っぱが凹んできたら結構水が足りなくなってきています。

成長期にはここまで水を切らさない方が良いでしょう、生育に悪影響が出ます。
休眠期は上述している通りこれくらいまで上げなくても大丈夫です.

土について

土乾燥に強く水が少なくても大丈夫、と言ってもある程度の保水力は必要ですのでバークチップのみ、ゼオライトのみのような極端な用土は避けたほうが良いと思います。

また、土の通気性も大事なので粘土質の土や粒子の細かい物を多用すると土の中で窒息してしまい根腐れの原因になります。

園芸店などで売っている多肉植物用の土を買えば間違いないです。
自分でブレンドしたい!という方は以下の分量を目安にすると良いと思います。

赤玉土(小粒)5:パーライト3:腐葉土2
ハンギングにする時は、軽量化のためピートモスやバーミキュライトやパーライトなどの軽い物を多めに入れると良いです。

肥料について

春から秋にかけて旺盛に成長しますので、月1回与えると、元気に育ってくれます。

夏と冬は肥料を与えない方が良いと思います。
この季節は休眠期なので夏は肥料が残ると腐敗の原因になり、
冬は肥料を吸収せず残ったままになり、どちらも根を痛める可能性が高くなります。

基本的に多肉植物は肥料を多く必要としません、小食なのです。
なので、多量の肥料は根がすぐ傷みます。

植込みの時に入れる肥料や置き型の肥料は使わず、液体肥料がおすすめです。

多肉植物・サボテン用か観葉植物用のものを使うとよいです。

与えるときは既定の希釈倍率よりもさらに倍の薄さであげましょう。
例:規定濃度 1000倍希釈→2000倍希釈で与える。

アミノ酸やビタミン、ミネラルなどを多量に含む有機発酵肥料は用法用量を守れば
効果は絶大でモリモリ育ってくれます。

たまーに、勢いがつきすぎて生殖成長である花を咲かすということをせずに、
栄養成長である葉っぱを伸ばすことしかしなくなることもあります。

病害虫

紅稚児はあまり虫がわさっと付いたはありませんが、やはり多肉植物で汁は栄養豊富なので汁害の虫がつくことはあります。代表的なものはアブラムシ、コナカイガラムシ、ハダニです。それらの対策を紹介しますので参考にしてくださいね。

アブラムシ・コナカイガラムシ・ハダニ

アブラムシ
肥料の上げすぎや、梅雨や秋雨など雨が長く続く時期、風通しが悪く蒸れてくると
大量発生しやすいです。大量に発生した挙句、樹液を吸いまくるので生育が悪くなりひどい場合は吸われている部分が枯れてしまいます。

また、アブラムシを介してモザイクウイルスなどを感染させてくることもあるので放置はできません。
でんぷん糊スプレーや石鹸液、牛乳など物理的に駆除するものも効きやすいのですぐに対処しましょう。

有効な農薬:オルトラン、ベニカスプレー、モスピランなど

アブラムシの分泌物はアリも寄せますが、スス病の原因になります。

ハダニ
高温乾燥すると出やすい。定期的な水やりである程度の湿度維持をすると発生しにくくなります。
葉っぱの裏について樹液を吸うので葉っぱがボロボロになります。

蜘蛛の巣よりも細い糸で巣を張ります。見慣れない蜘蛛の巣があったら葉の裏を確認しましょう。

有効な農薬:オルトラン、ダニゲッター、マラソンなど

対処法としては発生初期はブラシや布なので虫がついている部分をふき取り、
良く水で洗い流します。ハダニは水に弱いのでしばらくは乾燥しすぎないように気を付けます。

大量に発生してしまった場合は、既定の濃度の農薬を霧吹きなどに入れて植物全体に、
特に葉っぱの裏や葉柄の付け根などは念入りに散布します。

また、既定の濃度よりも10倍薄い溶液を作り土全体にかける処理をするとより効果的です。

1か月くらいは予後を観察し、発生が止まらないようだったら2週に1度農薬散布をするとよいです。
土に薄い農薬溶液をかける処理は根への負担が大きいので行いません。

1週間に一度発生しているものを見つけたらブラシや布なので取り除き、100倍希釈くらいの木酢液を散布すると発生が抑えられます。

コナカイガラムシ
高温時に発生しやすいです。一度大量発生すると完全駆除が難しいため速やかな対応が必要です。
成虫になると体をワックス状の物質で覆うため農薬が効きにくく、葉の付け根や茎の生え際など狭いところに隠れるためほんと厄介。

まじで(怒

さらに、分泌物がスス病を誘発するため殺虫剤だけで対処できなくなるので、要注意です。

有効な農薬:マシン油、ベニカスプレー、スプラサイド、オルトラン、アクテリック、コルトなど

対処法は、まずは物理除去です。ブラシや布で徹底的に除去します。

卵が孵化するには約1週間かかり成虫になるまでに4週間かかります。
幼虫の間に農薬で駆除しなければならないので、毎週1回農薬散布をするのがベストです。
既定の濃度の農薬を霧吹きなどに入れて植物全体に、特に葉っぱの裏や葉柄の付け根などは
念入りに散布します。
また、既定の濃度よりも10倍薄い溶液を作り土全体にかける処理をするとより効果的です。
農薬への耐性がつくのを避けるため、1回ごとに使う農薬を変えるとより効果的です。

例 マシン油→スプラサイド→アクテリック→マシン油→…
(かなり細かい話になりますが、作用機序の異なる農薬を順番に使うとなお良しです。)

スス病は細菌性の病気なので、上記にあるような殺虫剤は効果がないので殺菌剤を使います。
100倍希釈くらいの木酢液も被害を抑える効果があります。

増やし方

葉挿し…葉っぱを付け根から取って土に置いておくだけで発根しますが、元が小さいので根が出たのに放置しておくと枯れてしまうので他の品種よりはこまめに水分補給をしてあげてください。
葉っぱが小さいと時間はかかりますが1cmくらいの小さな葉っぱから可能です。
3cmくらいになる大きい葉っぱだとその後の生育が早いのである程度大きい物でやることをお勧めします。

挿し穂…茎だけの部分を1㎝くらい作り土に挿しておくと2週間程度で発根しそのまま成長します。
安定して発根して活着後の予後も良いです。
切ったところからは元の茎より細くなりますがしっかり新芽を出してくれます。

挿し芽の場合、切り口から細菌感染し壊死してしまうことがあるので、
切り取った後は風通しの良い日陰で2~3日乾かしておくと良いです。

耐寒性

条件にもよりますが、霜に当たらなければ氷点下超えても大丈夫で
だいたい-2度まで耐えられます。
しかし、霜に当たると凍害で枯れてしまいますので
5度を下回るようになったら保温対策を考えましょう。

日当たりについて

日当たりの良いところを特に好みます。しっかり日光に当てると色づきも良くしまった株になります。
ただし、夏の直射日光は葉焼けの原因になるので半日陰で管理すると安全です。

知っトク情報

和名や属名などの由来

属名の Crassula:クラッスラ はラテン語の「crassus(厚みのある)」に由来しています。種小名はpubescensで軟毛に覆われたという意味からきています。
 
和名の紅稚児はその見た目の通り真っ赤な小さい子、という意味です。
英名のRed carpetは壮観ですよ、群生させてしっかり紅葉させるとすっごくきれいです!
さらにそのまま頑張って維持して春ころ花がたくさん咲くと幻想的です。
 
そして、花が咲いた後のガラの手入れがすげぇ大変ですw  
 

育て方での見た目の違い

 多肉さんは基本的に環境ストレスの多い地域が原産ですので多少暑かったり水が無かったりしても平気です。そういった厳しい条件の方が姿かたちは良くなります。 なので、ぬるぬるとストレスから解放された環境で育てるとどうなるか! 実際にやってみた。

こうなった↓
水多めの管理の紅稚児

あまり見たことない形の紅稚児さんになってますねw

これは体感的に水の量を倍与えて、肥料の薄く入った水は2週間に一度、
日当たり良好で 常に水があってのほほんと育つと葉っぱが大きくなり赤色もすっかり失せてしまい、緑稚児になってしまいましたw

逆に常時乾燥した小さいセルポットで育てるときれいな赤になってくれますが、
大きさは小さいです。 あまり育ってくれません。

紅葉した紅稚児

同じハウス内で日当たりだ大体一緒ですが水やりと
植わっている大きさでこんなにも違いが出てきます。

クラッスラ紅稚児と表記する理由

紅稚児と書いたり言ったりしたらいいんだけど、あえてクラッスラ紅稚児と書くのには訳があります。 同じ名前のエケベリアがいるからです。

私の温室には持っていないので紹介だけなのですが
↓こんな感じです。

エケベリア属 紅稚児(べにちご)/多肉植物/ギフト/プレゼント/ガーデニング/おしゃれ/かわいい/寄せ植えに最適
by カエレバ

やっぱりエケベリアだけあってお花のようできれいですよね。

サボテンもなんですけど多肉植物や観葉植物、いろんな植物種で同じ名前、似たような名前のものが多くて結構困ったりするんです(´・ω・`)
見た目も属も全然違うのけど、紅稚児買ってきて―とかで、 実際に見てみたら違うじゃん、って結構あったりします。
なので、あえてクラッスラ紅稚児さんと書いていますヾ(*´∀`*)ノ

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