ブラックプリンスの概要
基本情報
黒いしゅっとした葉っぱが魅力のブラックプリンス。一部では黒助もブラックプリンスと言われていますが葉っぱの形や付き方が全然違うので別品種です。ロゼット状に葉が並びまるで黒いバラのように見えるのが素敵です。
成長期には赤みを帯びてまた違った魅力も見せてくれるので、ぜひ育ててみてほしい一品です。
- 植物名
- ブラックプリンス
- 学名
- Echeveria cv. ”Black Prince”
- 英名
- Black Prince
- 科名
- ベンケイソウ科
- 属名
- エケベリア属
- 原産地
- 園芸交配種
- 流通名
- 黒玉子(くろたまご)、古紫(こむらさき)、アフィニスブラック、プリンス
- 成長型
- 春秋型
- 花言葉
- 穏やか、風雅な、優美な
育て方
水やり
基本は「しっかり乾かしてからたっぷり与える」です。
土を満遍なく湿らせて注いだ水が流れ切った後、
鉢を持ち上げた時にしっかり水の重さを感じることができれば
オッケーです(※鉢植えを想定しています。)
目安としては
春~秋 10日に1回 (土がしっかり乾いてから3日後くらい)
夏・冬 14日から20日に1回 土が全体的に少し占める程度
春と秋は生育旺盛で伸びる速度が速いため、
水を多くあげすぎると、すぐに徒長しますので水は控えめの方が、
黒く締まったかっこの良い株になります。
高山帯に生育していたものが祖先なので耐寒性は強くマイナス1度くらいまでなら耐えられます。
しかし、葉っぱには大量の水を含んでいるため、耐寒性が強いとはいえ油断すると凍ります。
冬は休眠期ですので、水の量は極端に減らしたほうが良いです。
植物体内の水分量が少なくなることで凍りにくい体になっていますので、
水をたくさんあげるとその状態が解除されてしまって凍ってしまうことがあります。
なんだったら葉っぱがシワッシワになるまで水あげなくてもいいです。
また、ブラックプリンスは黒い状態をキープしていると
体内に水が少なくなってきてもあまり表情を変えないので、
水やりのタイミングがつかみにくくもあります。
葉っぱに張りがなくなってきたあたりが水やり適期かと思います。
葉っぱが凹んできたら結構水が足りなくなってきています。
成長期には上記の葉が凹むまで水を切らさない方が良いでしょう、生育に悪影響が出ます。
休眠期は上述している通りこれくらいまで上げなくても大丈夫です.
土について
乾燥に強く水が少なくても大丈夫、と言ってもある程度の保水力は必要ですのでバークチップのみ、ゼオライトのみのような極端な用土は避けたほうが良いと思います。
また、土の通気性も大事なので粘土質の土や粒子の細かい物を多用すると土の中で窒息してしまい根腐れの原因になります。
園芸店などで売っている多肉植物用の土を買えば間違いないです。
自分でブレンドしたい!という方は以下の分量を目安にすると良いと思います。
赤玉土(小粒)5:パーライト3:腐葉土2
ハンギングにする時は、軽量化のためピートモスやバーミキュライトやパーライトなどの軽い物を多めに入れると良いです。
肥料について
春から秋にかけて旺盛に成長しますので、月1回与えると、元気に育ってくれます。
夏と冬は肥料を与えない方が良いと思います。
この季節は休眠期なので夏は肥料が残ると腐敗の原因になり
、冬は肥料を吸収せず残ったままになり、どちらも根を痛める可能性が高くなります。
基本的に多肉植物は肥料を多く必要としません、小食なのです。
なので、多量の肥料は根がすぐ傷みます。
植込みの時に入れる肥料や置き型の肥料は使わず、液体肥料がおすすめです。
多肉植物・サボテン用か観葉植物用のものを使うとよいです。
与えるときは既定の希釈倍率よりもさらに倍の薄さであげましょう。
例:規定濃度 1000倍希釈→2000倍希釈で与える。
アミノ酸やビタミン、ミネラルなどを多量に含む有機発酵肥料は用法用量を守れば
効果は絶大でモリモリ育ってくれます。
たまーに、勢いがつきすぎて生殖成長である花を咲かすということをせずに、
栄養成長である葉っぱを伸ばすことしかしなくなることもあります。
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病害虫
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アブラムシ・コナカイガラムシ・ハダニ
アブラムシ
肥料の上げすぎや、梅雨や秋雨など雨が長く続く時期、風通しが悪く蒸れてくると
大量発生しやすいです。大量に発生した挙句、樹液を吸いまくるので生育が悪くなりひどい場合は吸われている部分が枯れてしまいます。また、アブラムシを介してモザイクウイルスなどを感染させてくることもあるので放置はできません。
でんぷん糊スプレーや石鹸液、牛乳など物理的に駆除するものも効きやすいのですぐに対処しましょう。有効な農薬:オルトラン、ベニカスプレー、モスピランなど
アブラムシの分泌物はアリも寄せますが、スス病の原因になります。
ハダニ
高温乾燥すると出やすい。定期的な水やりである程度の湿度維持をすると発生しにくくなります。
葉っぱの裏について樹液を吸うので葉っぱがボロボロになります。蜘蛛の巣よりも細い糸で巣を張ります。見慣れない蜘蛛の巣があったら葉の裏を確認しましょう。
有効な農薬:オルトラン、ダニゲッター、マラソンなど
対処法としては発生初期はブラシや布なので虫がついている部分をふき取り、
良く水で洗い流します。ハダニは水に弱いのでしばらくは乾燥しすぎないように気を付けます。大量に発生してしまった場合は、既定の濃度の農薬を霧吹きなどに入れて植物全体に、
特に葉っぱの裏や葉柄の付け根などは念入りに散布します。また、既定の濃度よりも10倍薄い溶液を作り土全体にかける処理をするとより効果的です。
1か月くらいは予後を観察し、発生が止まらないようだったら2週に1度農薬散布をするとよいです。
土に薄い農薬溶液をかける処理は根への負担が大きいので行いません。1週間に一度発生しているものを見つけたらブラシや布なので取り除き、
100倍希釈くらいの木酢液を散布すると発生が抑えられます。コナカイガラムシ
高温時に発生しやすいです。一度大量発生すると完全駆除が難しいため速やかな対応が必要です。
成虫になると体をワックス状の物質で覆うため農薬が効きにくく、
葉の付け根や茎の生え際など狭いところに隠れるためほんと厄介。まじで(怒
さらに、分泌物がスス病を誘発するため殺虫剤だけで対処できなくなるので、要注意です。
有効な農薬:マシン油、ベニカスプレー、スプラサイド、オルトラン、アクテリック、コルトなど
対処法は、まずは物理除去です。ブラシや布で徹底的に除去します。
卵が孵化するには約1週間かかり成虫になるまでに4週間かかります。
幼虫の間に農薬で駆除しなければならないので、毎週1回農薬散布をするのがベストです。
既定の濃度の農薬を霧吹きなどに入れて植物全体に、特に葉っぱの裏や葉柄の付け根などは
念入りに散布します。
また、既定の濃度よりも10倍薄い溶液を作り土全体にかける処理をするとより効果的です。
農薬への耐性がつくのを避けるため、1回ごとに使う農薬を変えるとより効果的です。例 マシン油→スプラサイド→アクテリック→マシン油→…
(かなり細かい話になりますが、作用機序の異なる農薬を順番に使うとなお良しです。)スス病は細菌性の病気なので、上記にあるような殺虫剤は効果がないので殺菌剤を使います。
100倍希釈くらいの木酢液も被害を抑える効果があります。
増やし方
葉挿し…葉っぱを付け根から取って土に置いておくだけで発根し成長します。
エケベリア属は成長が遅いため葉挿しが成功しづらい傾向になります。
葉っぱが小さいと時間はかかりますが1cmくらいの小さな葉っぱから可能です。
3cmくらいになる大きい葉っぱだとその後の生育が早いのである程度大きい物でやることをお勧めします。
挿し穂…長い茎の部分がないので挿し穂は不可
胴切り…ある程度置きくなると胴切りが可能になります。
株の中心部に成長点を含む芯の部分がありますので、よく切れる清潔な刃物やテグスなどで
葉っぱを傷つけないように胴体を切ります。
頭の部分と根のついた株元の部分がに分かれますので切り口をしっかり乾かして
頭の部分は土の上に置くとしばらくすれば根っこが出て復活します。
株元の部分は、葉の付け根の成長点から子株が出てきます。
直径3mくらいになったら親株から切り離し、
良く乾かしてから土の上に置いて発根させて独立して成長できるようになれば胴切り成功です。
胴切りの場合、切り口から細菌感染し壊死してしまうことがあるので、
切り取った後は風通しの良い日陰で2~3日乾かしておくと良いです。
また、株元の方は葉っぱがなくなってしまうと光合成によるエネルギー供給ができなくなりますので、
最低3枚は残しておくと成功率が高くなります。
耐寒性
条件にもよりますが、霜に当たらなければ-1度まで耐えられます。
しかし、霜に当たったりすれば低温障害を起こしますので
5度を下回るようになったら保温対策を考えましょう。
日当たりについて
日当たりの良いところを特に好みます。しっかり日光に当てると色づきも良くしまった株になります。
黒い体なので強い日光では葉の温度が上がりすぎてしまい株が死んでしまうこともありますので、
暑くなってきたら50%くらい遮光した光に調整すると良いです。
夏の直射日光は葉焼けの原因になるので半日陰で管理すると安全です。
知っトク情報
ブラックプリンスの交配元
シャビアナのフリルはいったいどこに…。葉っぱの輪郭はシャビアナの特徴が良く出ています。株の色味はお父さんのアフィニスよりですね。初めてこの交配元の知った時に、あーだから奇形が出やすいのか―と納得しました。 うちのシャビアナさんは良くバグりますw
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