今年の誕生日プレゼントに嫁様から頂いたプレゼントがお洒落な植物用LEDライト。
見た目も可愛くてめっちゃうれしいのですよ。
でも、効果のほどはいかほど?ということで実験してみましたよ。今回の実験はお家で多肉植物を飾っているけど徒長しちゃって困っているという人は是非参考にしてほしいです。
植物用LEDライトとは?
LEDとは「発光ダイオード」:Light Emitting Diodeの頭文字で、通電させると発光する半導体の一つになります。消費電力が少なく寿命がものすごく長いことが特徴です。ハロゲンや白熱球に変わる次世代照明として、少しずつ普及してきています。ただちょっと値段が高いのがデメリット。
発光チップの種類で光の波長を変えることができ、用途に合わせて光の波長の組み合わせを変えることができます。なので、赤色光(660nm前後)と青色光(450nm前後)が植物の生育に有効ということで、この波長のみを発するチップを使って植物用LEDライトは作られることが多いです。
ちなみに、赤色光は光合成を促す効果があり、青色は葉や実を大きく形成する効果あると言われています。赤色光と青色光の割合は5:1くらいが良いと言われています。
ガーデニングはお庭で行うので天候に左右されますが、日光を十分浴びる環境を整えることができます。しかし、お家の中で飾ったりベランダ園芸だと日当たりの改善が難しいことがあります。そのため、植物用ライトは植物の成長に必要な波長の光を与えられて、補助光として活躍します。
植物工場などで使われているような本格的なものは補助光ではなく、日光がなくともLEDだけでも生育が可能になります。
植物育成用となると結構性能の良いもので赤と青の光だけの物でってやると部屋の一画が変なムードの色の光で満たされてしまい、ほかに家族がいる部屋などでやるときっと怒られるでしょう。
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紫色の光がムーディーですよね。
上のものは発芽から開花までこのライトのみで生育可能な優れもので、成長期や開花期に適した赤色波長と青色波長の割合に変えられます。これは自宅などでがっつり育種栽培をした人向けですね。値段がちょっとお高いです。
もじゃさんがもらった植物育成用LEDはこのLUCHEというものです。
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光が白熱灯のようなので温かい印象で、見た目もおしゃれなのでお部屋のどこに飾っても映えそうですよね。実際に光らせるとこんな感じになります。
植物が良く育つ 卓上栽培ライト ルーチェの仕様
何と言っても国産というのが安心できます。
室内園芸専門店 はせがわさとう商店の提供する植物用LEDライトです。
→室内園芸専門店 はせがわさとう商店webサイト
室内でも植物を可愛く育てたい、手軽にインテリアとしても違和感のない栽培用ライトがほしい、社会の中に由自在な場所に活き活きとした植物を置きたい、枯れさせることなく育てたい、という思いで商品を開発しているということで、想いにすごく共感できます。
というか、これを選んできてくれた嫁氏、グッドチョイス!
そんなわけでしようと補足情報です。
LED仕様
- USB電源
- 電源:5v USBポートより
- 消費電力:1.5w
- 耐用時間:10,000時間
- 光束:50lm(ルーメン)
- 光温度:3200k(ケルビン)
- 照度:5200lx(ルクス)
- 外形寸法:横100mm 高さ最大630mm(ポール200mm×3本時) 奥行100mm
ルーメンは、wikipediaによると「1カンデラの光源から1ステラジアン内に放射される光束」だそうで、何のことやら、という感じです。光の発生源から一定の範囲内にどれだけ光が集まっているかの単位で、明るさを示します。
昔は光の明るさをW(ワット)数で選んでいましたが、正確にはワット数は明るさの単位ではなく消費電力で、電力いっぱい使えばフィラメントがめっちゃ光りますよということだったのでワット数が大きい=明るいで通用していましたが、現在はではルーメンでの明るさ表記になっており、店頭ではワットとルーメンの換算表が置いてあるので確認して買ってくださいね。
植物用のライトでは、どれくらいの近さに光源を置いたら良いかの目安になります。
ちなみに、ルーチェは発芽直後の植物には80mmの高さで、本葉以降の生長に使う場合は80~120mmの高さに光源を設置します。
光温度という単位は、あまり聞き馴染みないと思います、私もないです。ある物体が高熱になって発光したときの明るさが何度(K)かというものを示したもので、この値が低いほど暖色系の色を発し、高いほど寒色系の色を発します。
目安は、太陽光は 5000~6000K、白熱電球や電球色の蛍光灯が約2800K、昼白色の蛍光灯が約5000K、昼光色の蛍光灯が約6500Kです。
ルーチェは3200kなので、日の出後、日の入り前の45分くらいの光の色になります。
ルーチェを使って植物を育てるには1日12時間を目安に光に当てることを推奨しています。光源は熱を持ちますのであまり近づけすぎると葉やけを起こしてしまうので要注意です。
消費電力が5wなので12時間照射したとしても電気代は標準的な契約で約1.55円とリーズナブルの域を突き抜けて安いです。しかしUSB電源なので変換アダプターやパソコンなどが必要になります。
実際に多肉植物で実験してみた
ということで、実際に室内の日当たりの悪いところで使って効果があるか検証してみました。
使用した多肉植物は秋麗と乙女心
カットしてから3日間は切り口を乾かすために室内に転がしておきました。
大きさは乙女心が直径3cmくらい、秋麗が直径5cmくらいです。どちらも同じくらいの大きさになるように葉っぱの枚数を調節して下葉をもいでいます。あとは茎の長さもそろうようにしています。それぞれの栄養の量が同じくらいになると、代謝量や光合成量など生長具合も同じくらいになると考えています。
植えるものは肥料とかその他の影響を与えたくないので
ダイソーのゼオライト(小粒)を入れた壷。見る人が見れば何か分かる壷。
生育条件は
- 光源の高さは植物の先端から120mm
- 光に当てる時間は1日3時間
- 水は与えない
- もじゃさんのパソコンデスクの日当たりの悪いところ
- 光を与えるときは影響を避けるために離れた場所で与える
という感じです。
育てるには12時間推奨ですが、仕事の合間とか、ちょっとした時間しか光を当てなくても大丈夫ということを検証したいので3時間で設定しています。LEDライトを使って多肉植物を「栽培したい」人ではなく、「飾りたい」人がこんくらい気軽にできますよーというのを知ってもらいたいなと思います。
その他の条件は生活圏ということで細かく設定していません。冷房もついたり消えたり室温や光条件も住んでいる人の気分次第。だから、同じところで2カ月半置いてある多肉の寄せ植えはこんなにもびょーーんと徒長しております。
普段はこのようにおいています。後ろの水槽がグリーンウォーター気味になっていますが気にせんといてください。ちなみにメダカは幹之メダカのマリンブルーという品種です。実験では左の組をLED照射組、右の組をコントロールとします。
実験開始は6月26日。
普段は上の写真のように同じ場所に飾っておいて、LEDライトに当てるときだけ婚とーろると十分に離した場所で光源の高さ120mmになるように設置した場所で3時間光に当てます。
↓こんな感じ。隣のパキラもご相伴にあずかっております。
7月27日、実験の結果が出始めたので写真に撮って観察してみました。
こんなん出ましたけど―
写真の左の鉢が植物用LEDを当てたもの、右側がコントロールです。コントロールの方は背が高くなっているのが分かります。葉は大きくならず節間が伸びる典型的な徒長の症状が出ています。対してLEDライトを当てていたものはあまり大きさが変わらず締まった株になっています。
株の拡大写真です。
乙女心
秋麗
この結果で特徴的なのは、コントロールの株のどちらも下葉が一枚茎についたまま枯れているという点です。日光不足で徒長するために一番下の葉の栄養を転流したものと考えられます。
あとは秋麗で根っこの張り方がコントロールの方が長さと枝分かれの数が多かったのも印象的です。資源獲得への施策の一つかと思います。
徒長する主な原因は
- 水が多い
- 日光不足
- 肥料過多
が挙げられます。
今回の実験では、水が原因で徒長するのを防ぐために一切水分は与えてませんし、肥料分も全くないものに植えてます。よって、徒長する原因は日光だけなので、今回の徒長の原因は明らかに日光不足です。ちなみに日光不足で徒長する場合は円錐形になります。
さて、そんなわけで、日光不足で光合成ができずエネルギーも生産できず新規物質の生合成にもエネルギーを割けないのでどうするかというと、植物は凄いですね。
自分の手持ちの資源をうまく利用して、生育に有利な環境を作ろうとするんです。その結果が今回の下葉の枯れです。
下葉にあった栄養と水分をすべて茎に移し、より光が当たりやすいように茎を伸ばす材料とエネルギーに使います。なので、葉っぱをもいで一か月くらい放っておいても枯れない葉っぱがカッサカサで小さく枯れてしまいます。
ということで、1日3時間のLEDライト照射でも十分に効果があることが分かりました。光に当てていたほうは下葉は枯れていませんし、節間も伸びていません。あまり大きくなってもいないので、多肉植物の寄せ植えやアレンジを飾るという意味では花丸の結果だったと思います。
すごいぜ、ルーチェ!
植物用LEDで多肉が徒長しないかの実験のまとめ
今回の植物用LEDライトを使った多肉植物の生育実験の結果をざっとまとめてみます。
- 室内で多肉を飾るには日射量は足りなかった
- およそ一か月くらいで徒長の症状が顕著になった
- 秋麗ではコントロールの根が良く張った
- LUCHE(ルーチェ)は一日3時間の照射でも徒長を抑えるには効果があった
以上のことが分かり、推奨照射時間の12時間に満たなくても3時間で植物にとって徒長しなくても良い程度の光合成ができていることが推論できます。そのため、照射時間を長くすることが可能であれば、より生育にプラスになることが期待できます。
ということで、ルーチェはお家の雰囲気を壊さずお洒落に多肉植物を飾れるアイテムとしては大変おすすめです!と自信を持って言えます!
この機会にぜひ試してみてくださいヾ(*´∀`*)ノ
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余談:光の波長について
余談なんですけども、植物栽培に照明を用いる場合に気を付けてほしいことは、育てる植物が必要としている光がそのライトの波長に含まれるかを確認しましょう。赤色光や青色光は必須なので言うまでもないのですが、光の割合とか何nmのが多く含まれるかは確認しておくと良いです。
植物が成長に使える光の波長域は約300nm~800nmで,光合成に利用できる波長域は400nm~700nmとされています。この光の波長の含まれる割合ってすごく大事で植物の形態形成や開花制御などに重要な役割を果たします。
例えばB(青色光)/R(赤色光)比が低いと茎の伸長が促進される、葉っぱの面積が増える、などに影響があるとされています。また、開花時期の早晩にも影響を及ぼす用です。
また、赤色光の波長は600~700nmですが、これよりも波長の長い700~800nmは遠赤色光(FR)で、R/FR比で開花制御や茎の伸長などを制御しています。
というのも、この光の波長の割合は太陽と地球の微妙な距離感によって織りなされる光の成分の変化で、植物はこれによって時間や季節を感じ取っています。
B/R比で言えば波長の短い青い色が多いということは「夏だな!よし、伸びよう!」と感じる師、R/FR比でで言えば波長の長い光は減衰しにくいのでより太陽が遠くにあっても届く、すなわちこれも季節を感じる要因になります。
なので、光の成分や当てる時間帯、時間の長さっていうのは非常に重要な要素です。自然の光のリズムと全く違うリズムで光を当てると植物の生理を乱すことになり、花が咲かなかったり形態形成に異状が出る可能性も考えられます。
そういった意味では、しっかり植物を育てたいという方には、ちょっと高いけど様々な調節の出来る本格派の方が良いかなと思います。
追記:実験結果のその後
8月24日 日照不足の環境で育てていたものとLUCHEを使っていたほうの差が大きくなったので追加で報告します。
↓LUCHEを使っていたほうの多肉植物達
↓日当たりの悪いところで育てていた多肉植物たち
日当たりの悪い方は栄養不足と徒長で崩壊してきていますね(・・;)
ちなみに、ここまで一回も水をあげていませんので植物の中の水分だけでやりくりしてきています。すごいですよね、ちょっとした日光代わりのものがあればそんなに萎れることもなく姿かたちを保っていられるのですから、多肉の乾燥耐性には恐れ入ってしまいます。
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