もじゃさんがハオルチアに出会った初期の方から育てている品種です。丈夫で子株も旺盛にだし、紅葉もする楽しさ満載のやつです。超おすすめ。
寒くなってきたときの葉先が赤染まる紅葉と、よく日光を浴びて少し乾燥気味に育てた時の山吹色の紅葉も素敵。
成長期にはその名の通りゴールドラッシュを思わせるような黄色に変わります。
水やりや肥料のあげ方のコツ、きれいな紅葉のさせ方のポイントなどを紹介します。
ハオルチア ゴールドラッシュの概要
ゴールドラッシュはヘイデルベルゲンシス H. heidelbergensis の明黄肌色変異個体とされています。
はっきりした緑色で細くとがった葉が特徴のヘイデルベルゲンシスの中から黄色くなったものを単離して品種化させたものらしいです。
レツーサ系なので三角形の窓と窓の付け根から出る緑の筋が特徴です。窓は小ぶりですがノギもあって尖っていてかっこいいです。裏窓もぽつぽつ丸いのが見えるので日に透かすととても魅力的!
クーペリー H. cooperi やミラビリス H. mirabilis に似ていると言われています。だいぶ違うと思いますが。。。まぁそういうことのようです。
ハオルチア ゴールドラッシュの基本情報
- 植物名
- ハオルチア ゴールドラッシュ
- 学名
- Haworthia heidelbergensis var. "gold rush"
- 英名
- Star Cactus "Gold Rush"
- 科名
- ツルボラン科
- 属名
- ハオルチア属
- 原産地
- 南アフリカ
- 流通名
- なし
- 成長型
- 春秋型
- 花言葉
- もじゃさん曰く、千載一遇
ハオルチア ゴールドラッシュの育て方
水やり
基本は「しっかり乾かしてからたっぷり与える」です。
土を満遍なく湿らせて注いだ水が流れ切った後、
鉢を持ち上げた時にしっかり水の重さを感じることができれば
オッケーです(※鉢植えを想定しています。)
目安としては
春~秋 7日に1回 (土がしっかり乾いてから3日後くらい)
夏冬 14日から20日に1回
ゴールドラッシュは葉変わりのものを単離した品種といわれています。生育は旺盛な品種なのでお水の分だけぐんぐん伸びます。
水をたくさんあげて日光が少ないとすぐ徒長して、窓の隙間から葉の肌が見えるようになります。もっと徒長すると下葉が外に反り返りスカートみたいになってしまいます。
水の量が少なく乾燥ストレスを受け始めると葉の色が灰色ががってきます。さらに進むと窓が凹んできます。葉のふくらみを観察してぷっくり感がなくなってきて凹みだしたらたっぷりお水を上げましょう。
初夏から初秋にかけては、蒸れには気を付けましょう。午前中に水やりすると高温で根が焼けてしまうこともあるので、午後3時以降とか日の落ちてきた当たりがおすすめです。
CAM植物なんで日が落ちてから気孔が開くので若干吸い上げが良くなります。
冬は休眠期です。晩秋から寒さに当てつつ水の量を少しずつ減らしていき紅葉を楽しんだのちに厳冬期にはお水の量を普段の20%~25%くらいまで制限して耐寒性を高めましょう。
比較的寒さには強いですが、葉っぱには大量の水を含んでいるため、耐寒性が強いとはいえ油断すると凍ります。
冬に枯れるのは水やり直後が危険なのです。天気や温度を気にしながら水を与えましょう。部屋の暖かいところに置いておくのが一番安全です。
植物の耐寒性は体内の水分量が少なくなることで凍りにくい体になっていますので、水をたくさんあげるとその状態が解除されてしまって凍ってしまうことがあります。なんだったら葉っぱがシワッシワになるまで水あげなくてもいいです。
また、ゴールドラッシュは体内に水が少なくなってくると窓は葉色に表情がよく現れます。
水やりのタイミングは窓に表情が出る直前がベストですが、出てからでもまぁ大丈夫です。
葉っぱに張りがなくなってきたあたりが水やり適期かと思います。葉っぱが凹んで葉が赤茶けてきたら結構水が足りなくなってきています。
成長期にはここまで水を切らさない方が良いでしょう、生育に悪影響が出ます。休眠期は上述している通りこれくらいまであげなくても大丈夫です。
土について
乾燥に強く水が少なくても大丈夫、と言ってもある程度の保水力は必要ですのでバークチップのみ、ゼオライトのみのような極端な用土は避けたほうが良いと思います。
また、土の通気性も大事なので粘土質の土や粒子の細かい物を多用すると土の中で窒息してしまい根腐れの原因になります。
園芸店などで売っている多肉植物用の土を買えば間違いないです。自分でブレンドしたい!という方は以下の分量を目安にすると良いと思います。
赤玉土(小粒)6:軽石1:パーライト1:腐葉土2
ハンギングにする時は、軽量化のためピートモスやバーミキュライトやパーライトなどの軽い物を多めに入れると良いです。
スーパーやホームセンターの園芸コーナーなどにある「花と野菜用の培養土」「観葉植物用の培養土」は肥料が入っていることが多いので使う時は注意してください。
慣れていないと根痛みしやすいので、初心者や何もしてないけどよく枯れる。という人は肥料分の入っていない用土がおススメです。
肥料について
春から秋にかけて旺盛に成長しますので、月1回与えると、元気に育ってくれます。
夏と冬は肥料を与えない方が良いと思います。この季節は休眠期なので夏は肥料が残ると腐敗の原因になり、冬は肥料を吸収せず残ったままになり、どちらも根を痛める可能性が高くなります。
基本的に多肉植物は肥料を多く必要としません、小食なのです。
なので、多量の肥料は根がすぐ傷みます。
植込みの時に入れる肥料や置き型の肥料は使わず、液体肥料がおすすめです。
屋内や日当たりにあまり自信がないところでの管理の場合は、与えるときは既定の希釈倍率よりもさらに倍の薄さであげると日焼けしたり徒長したりしにくくなります。
例:規定濃度 1000倍希釈→2000倍希釈で与える。
アミノ酸やビタミン、ミネラルなどを多量に含む有機発酵肥料は用法用量を守れば
効果は絶大でモリモリ育ってくれます。
たまーに、勢いがつきすぎて生殖成長である花を咲かすということをせずに、
栄養成長である葉っぱを伸ばすことしかしなくなることもあります。
ヤフーショッピングや楽天市場などでも販売しているゲキハナさんのゲキ力という活力剤はよく使っています。
いずれも肥料ではないので窒素・リン酸・カリウムの成分がほぼ入っていないので根痛みがしづらく元気のないときや、花芽の出るときなどここぞという時に使いやすいです。
病害虫
ゴールドラッシュは比較的病害虫の被害にあうことは少ないです。これまで管理してても「うわーーーっ」となったことがないです。
優秀。
コナカイガラムシ
-
高温時に発生しやすいです。一度大量発生すると完全駆除が難しいため速やかな対応が必要です。
成虫になると体をワックス状の物質で覆うため農薬が効きにくく、葉の付け根や茎の生え際など狭いところに隠れるためほんと厄介。まじで(怒
これはセンペルビウムの根元で増えてしまったカイガラムシ。わかりやすいので別の植物で説明しています。
掘り返さないと見つからないので、ここで増えたのが葉っぱで目撃されます。
だから、しっかり増えてから葉っぱに出てきているので見つけた時には手遅れ気味です。
残念です。
さらに、分泌物がスス病を誘発するため殺虫剤だけで対処できなくなるので、要注意です。
有効な農薬:ダントツ水和剤(4A)、モスピラン(4A)、コルト水和剤(9B)、アプロード(16)、マシン油(未)など
※()の中はRACコードです。
対処法は、まずは物理除去です。ブラシや布で徹底的に除去します。
卵が孵化するには約1週間かかり成虫になるまでに4週間かかります。
幼虫の間に農薬で駆除しなければならないので、毎週1回農薬散布をするのがベストです。
既定の濃度の農薬を霧吹きなどに入れて植物全体に、特に葉っぱの裏や葉柄の付け根などは
念入りに散布します。また、既定の濃度よりも10倍薄い溶液を作り土全体にかける処理をすると土壌の卵の駆除に役立ちます。農薬への耐性がつくのを避けるため、1回ごとに使う農薬を変えるとより効果的です。
例 マシン油→スプラサイド→アクテリック→マシン油→…
(かなり細かい話になりますが、作用機序の異なる農薬を順番に使うとなお良しです。)スス病は細菌性の病気なので、上記にあるような殺虫剤は効果がないので殺菌剤を使います。
100倍希釈くらいの木酢液も被害を抑える効果があります。
ハダニ
高温で乾燥していると葉について吸害を起こします。株の元気がなくなり、かさぶたのような傷跡がたくさんできます。
葉っぱの裏に特に出やすいです。
虫自体は弱いので強い水流の水で洗い流すだけでも対処はできますが、隙間などに隠れている奴や土の中にいるやつらは対処できませんので農薬をしっかり使いましょう。
また、世代交代が早く薬剤耐性が付きやすいと言われているので同じ薬剤をずっと使うのではなくローテーションで数種類の農薬を使っていきましょう。
多肉植物が属する観葉植物に適用があってダニに効く農薬は
ベニカXファインスプレー(IRAC: 3A、4A、FRAC:9 )
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いずれも住友化学園芸さんの商品です。いつもありがとう!
バロックフロアブル
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ペンタック水和剤
アグロ カネショウさんでIRACコードは2A。遅効性で長期間発生を抑える性質があるので発生初期に効果的です。
ちなみに、よく言われるオルトランは観葉植物に適用のある商品でダニ類は適用病害虫に入っていないのよね~、要注意です。
●アーリーセーフ(有効成分:脂肪酸グリセリド IRACコードなし)
天然物(ヤシ油)由来の有効成分で、有機JAS規格(オーガニック栽培)でも使用可能なダニ剤があって、野菜類やハーブのハダニ、アブラムシ、コナジラミ、うどんこ病の防除に効果的です。
農薬で手が荒れたり体の調子が悪くなる人はこれがおススメかも
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増やし方
葉挿し…葉っぱを付け根から取って土に置いておくだけで発根し成長します。生育は早い方なので、しっかり乾かして新しい土の上においておけば割と簡単に根が出ます。
3cmくらいになる大きい葉っぱだとその後の生育が早いのである程度大きい物でやることをお勧めします。
また、変異体だからか葉替わりすることもあります。
もじゃさんのところでは窓にノギが入り毛ガニみたいな形になったものを単離しました。
こういうのを狙って育てるのも楽しいと思います。
株分け…親株があるサイズまで大きくなると根元から子株がたくさん出てきます。
ゴールドラッシュはたくさん子株を出す品種なので、おすすめの増やし方はこちらです。
葉っぱが6~8枚くらいになったら本体から外して清潔な土に植え付けます。1週間から2週間で発根するので予後もよく育てやすいです。
胴切り…大きくなった株の芯の部分を切り取り強制的に子株を出させる手法です。
ある程度株が大きくないとできなくて、根っこの付いている方の親株部分に葉っぱは少なくともぐるっと一回り残しておくと、光合成もある程度できて子株を出す体力を確保できます。
ゴールドラッシュは無理やり子株を出させる必要がないのであまりする必要はありませんが、徒長した時の仕立て直しに有効です。
挿し芽の場合、切り口から細菌感染し壊死してしまうことがあるので、切り取った後は風通しの良い日陰で2~3日乾かしておくと良いです。
耐寒性
条件にもよりますが、霜や夜露に当たらなければ-5度まで耐えられます。普段の生育環境によっては窓が白く凍ることもあります。
葉先が凍っても成長点のある芯が無事なら大丈夫。
室内で穏やかな環境で日当たりも悪い場合は、5度を下回るようになったら保温対策を考えましょう。
きれいに紅葉させる秘訣には耐寒性も関わっており、徐々に寒くなっていく外気に触れさせることです。季節感を肌で感じることで植物体内では環境ストレスに耐えるための色素をたくさん作ります。
色素をたくさん作るには日ごろの光合成量と水分、肥料分がものを言いますので9月末くらいから気にしておくと良いですよ。
ですが、急に寒いところに出すのはNGです。
慣れていませんから!
植物は環境に慣れるのに10日から14日くらいかかります。いくら耐寒性が強いからと言って、ぬくぬくのお部屋から急に外に出したりしたら適応できなくて調子を崩します。
これは暑さや強光でも一緒ですので注意してくださいね。
日当たりについて
比較的日当たりの良いところを好みます。あまり光が弱すぎると徒長して窓の隙間から葉の肌が見えるようにニョーーンと葉が伸びます。
ただし、夏の直射日光は葉焼けの原因になるので75%くらいの遮光ネットやよしずを使って管理すると安全です。
耐寒性のところでも書きましたが、植物は環境になれるために代謝などを調節します。
部屋の中から急におひさまビカビカのところに出すと葉やけしやすくなりますし、おひさまビカビカのところから薄暗い室内に取り込んだからめっちゃ徒長しやすいです。
何事も徐々に、ということが大事です。
ハオルチア ゴールドラッシュをきれいに紅葉させよう!
通常時はこんな感じの緑色をしています。
これが成長期になるとゴールドになります↓
で紅葉すると美しい山吹色に大変身。葉先の方から染まっていくため緑からオレンジのグラデーションがとってもきれいです。
そして全体が紅葉するとこんな感じ。
やばいですね!
色がこんなに変化してくれたら楽しくてしょうがないと思います。
植物が紅葉する理由は明確にはわかっていませんし、南アフリカ原産の植物が紅葉するかって言ったら何となくイメージしづらいですよね。
でも、するものはしょうがないです。
紅葉する理由は諸説ありますが、環境ストレスから身を守るため、というのが有力です。
色素を植物体内に増やすことで、水分を不凍液みたいな状態に0度以下でも凍らないようにします。
また、色素を濃くすることで強い光で活性酸素がたまりすぎるのを防いでいるともいわれています。
ということは、これらのストレスを丁度いい感じに与えてあげればよいということになります。
最高気温が30度を下回りだしたころから、少しずつ遮光率を低くして強光に慣らしていきます。
葉が凹むほど水分を切らすと調子を崩して綺麗な色には変わりませんので、窓の艶感を見ながら水やりを行います。
余りたっぷりあげず、3日くらいですっかり乾くくらいの量を意識しましょう。
ちなみに、一番下の全身紅葉したやつで成功した極端な例は、塩ビ管の蓋に植えてほぼ直射日光にさらされていたものがきれいなオレンジになっていました。
根の状態は蓋の形に根鉢ができるほどぎっちり詰まっていました。
水をしっかりかけたつもりでも、水が入り込んでいきにくい感じだったので、結果として少なめになっていい感じの紅葉に結びついたっぽいです。
おまけ:ハオルチア ゴールドラッシュを食べる の巻
嫁からはやめろと言われていますが。
食べてます。
↓2017年くらいにまとめて食べた時の写真
まぁ、そんなにまずいことはなく、無味、シャキシャキ食感は良い、ピリピリあり。と2017年にレポートしています。
詳しいことはこちらの記事をお読みください。
ハオルチア ゴールドラッシュの育て方 まとめ
増えやすく丈夫で紅葉もする良いとこ盛りだくさんのハオルチア ゴールドラッシュ。レア品種に葉分類されていないと思いますので、比較的安価です。
もじゃさんのメルカリショップでも直径4cmくらいの若株と直径6cmくらいの親株サイズを販売しています。
花芽も春と晩秋にしっかり咲かせてくれますので、交配の練習にも丁度良いと思います。
美しく育てるコツは
日当たりの良いところで窓の艶感が少しなくなったあたりでお水をしっかり上げる。
です。
綺麗な紅葉にチャレンジしてみてくださいね♪
育て方に不安がある場合はもじゃさんのLINE公式アカウントからご相談くださいませ。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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