そのやり方は大丈夫? ハオルチアの水耕栽培

そのやり方は大丈夫? ハオルチアの水耕栽培

ハオルチアについて

プニプニで透き通った窓が可愛いハオルチア。見て良し触って良し食べて良しの三方良しの多肉植物です。
ハオルチアはユリ科(ツルボラン科)のハオルチア属の植物で、
葉先の透ける窓からクリスタルプラントという名で流通していることもあります。
南アフリカからナミビア南部が原産地で100種類以上存在し、その特異な姿と育てやすさから人気になっています。

また、希少な品種の斑入りがとんでもなく高額で取引されるなど俄かに話題の肉イやつです。

種類は主に二種類あり、オブツーサなどを代表とする「軟葉系」と十二の巻などが有名どころとする「硬葉系」があります。
下の写真はオブツーサです。丸くつるんとして良く透ける窓が人気です。

 

ハオルチア オブツーサ

ハオルチアの育て方 ~基本編~

今回はメインテーマではないので、すげぇさらっと行きます。

成長型について

春秋型なので、3月~5月と9月~11月に良く日光に当てて育てるとがっしりとした株になります。
夏と冬は休眠しているので、穏やかな環境で体力が消耗しないように気を付けましょう。

水やりについて

葉っぱに水分を大量に蓄えているので、あまり水やりの回数は多くなくてよいです。
やりすぎると徒長の原因になります。

目安としては

春秋→2週間に一度
夏冬→月に一度

くらいでよいと思います。

水をあげる時はしっかりと用土を湿らせてあげてください。
ただし、高温多湿や霜が出そうな低温が直近で予想されるときは水やりを控えて
天候が整ったときに水やりをしてください。

肥料について

基本的に多肉植物は肥料はあまり必要としません。
やりすぎは根を傷め根腐れの原因になりますので、過剰施肥や休眠期の施肥は控えましょう。

春と秋に市販の液体肥料を規定の希釈倍率の半分の濃度で月に1度あたえると
葉色が良くなりかっこの良い株になってくれます。

日あたりについて

基本的には日当たりの良い場所を好みます。

ただし、夏の直射日光は葉焼けの原因になります。
重度の葉焼けを起こしますと、そこから雑菌が侵入し軟腐病などの株を腐らせる
致命的な病気を起こしやすくなりますので
遮光をしたり、半日陰の場所で管理するなど工夫が必要です。

また、多少日当たりが悪くても環境に馴染んでくれるので室内で鑑賞用に飾れます。

耐寒性について

かなり強いです。

冬は水を控えて少し植物が凹んでるくらいにしておくと霜に当たらなければ
容易に越冬します。

ハオルチアの水耕栽培

巷では、多肉植物の水耕栽培が流行っていて、ハオルチアもちらほら行われています。
土を使わず、可愛い瓶に入れてキラキラきれいなので、癒し度がぐっとアップですよね。

でも、水耕栽培って大丈夫なん?どうやってやるん?
という方が結構多いと思います。

わたしもその一人でしたw

さて、ここからがメインなのですが、水耕栽培のやり方とコツ、その他もろもろのお話の前に
チョット重要なお話。

ハオルチアの水耕栽培と根っこの関係

ということで、この画像をご覧ください

ハオルチアの根っこ

これは、水耕栽培を始めて一週間くらいの根っこです。

真ん中の茶色く太い物は元から生えていた土耕栽培の根っこです。
そして、真っ白で細いきれいな根っこは水耕栽培を始めて出てきた新しい根っこです。

見た目が全然違うように、性能も全然違います。

土耕→土壌がからっからになってもある程度耐えられるようになっており、物理的にも強度が強い。
水耕→水中にあっても根腐れしない。常に水分があるため貯水能は低く細い。物理的な強度が弱く折れやすい。

普通は水耕栽培する際には土耕の根は切ってしまうのですが
面倒くさかったため実験のために残して水耕栽培を始めた結果

固くしっかりとした土耕用の根は、あっという間にブヨブヨになって腐ってしまいました。

ということで、腐ったのに気づかずに放っておくと雑菌が株本体に侵入し

☆になるとか、じゅれるとか、やんわりと表現されていますが

最悪腐って再起不能になります。

画像の株は腐った根っこは直ちに切り取り、良く乾かして水耕栽培の実験開始です。

ハオルチアの水耕栽培のやり方

まずはシオッシオになったハオルチアを準備します。

しおしおハオルチア

この下の画像は実験開始時に取り忘れたので、後で別の機会に取ったものなのですが
基本的に水耕栽培を開始するにあたり土耕用の根は切除します。

根を切ったハオルチア

3日くらい良く傷口を乾かします。

その後、こんな感じの瓶に水を半分ほど入れてハオルチアを乗せます。

瓶にのっけたハオルチア

ハオルチアの底の部分に水が常に浸っていると腐りやすいです。

植物は水分の濃度勾配に敏感、根に関する部分は特に敏感なので
こんな感じで、近くは水なくて乾いているけどちょっと伸びたら水がたくさんあるよー
みたいな環境を作ってあげると根を出すスイッチが入りやすいです。

一週間も置いておけば新根がちょろっと出てきます。

根がちょろっと出た図

(最初の土耕の根付きでやった時の一週間後の写真しかなかった・・・すまぬ)

そしてここが肝です。

水換えの頻度。

ハオルチア水耕栽培の水の換え時

あまり気にしたことはないと思いますが、
水耕栽培するときに重要な要素として溶存酸素があります。

溶存酸素がなくなってくると、根呼吸ができなくなり成長が阻害される、というか窒息で腐ります。

なので出来ればこまめに水を換えてあげると良いです。
2~3日1回は換えるようにしましょう。

特に暑い時期はすぐに水が傷むのでよりこまめに水を換えてあげるのが大事です。

また、微生物の繁殖などで水のpHが塩基性(アルカリ性)になると根の先端はアンモニアなどに敏感なので
根にはあまりよろしくないですし

病原性の微生物が根の傷口から侵入すると、これまた腐ったりします。

水を換えるということは、それらの環境もリセットできますので
重ねてになりますがこまめな水の取り換えは重要です。

あと

液体肥料なども使う方がいると思いますが
株の栄養源になると同時に、微生物の栄養源になりますので多用や長期間水を取り替えないなどすると
あっという間に水が濁って悪臭を放つようになります。

特に夏場は注意してください。水温が上がりやすく、
微生物が繁殖しやすい環境が整いますので直射日光は避けるようにしましょう。

ということで、ハオルチア水耕栽培の日ごろの管理のまとめ

・直射日光は避けましょう(特に暑い日)
・水はこまめに2~3日毎に換えましょう
・肥料は特に与えなくても大丈夫です
・水耕栽培は徒長しやすいので日光浴は大事です

しおしおがプリプリに戻るまでは成長はほどんどしませんので
ゆっくり戻るまで養生させてあげてください。

一か月くらいでぷりっぷりになります。

・これが
しおしおハオルチア

・こうなります(だいぶ徒長しました(´・ω・`))


でも、プリプリに戻ったら水だけで育ててますとあっという間に徒長して
取り返しのつかない形になりますw

取り返しがつかなくなった玉扇
徒長玉扇

なので、もじゃさんの水耕栽培の位置づけは救急措置です。
状態が戻ったらすぐに土耕に戻します。

水耕栽培から土耕栽培に移すときの注意点

まず、水耕の時に出ていた根っこはぜんぶ切り落とします。
根を切ったハオルチア

ここですぐ植え替えると傷口から雑菌が入って株全体が腐ってしまう可能性が高いので
1週間くらいしっかり乾かします。

ぷりっぷりなので、多少放っておいても大丈夫です。
何だったらハオルチアに「あ、ちょっと乾いてきたかも」と思わせてあげるくらいがいいかもしれません。
乾燥が刺激になって発根が促されますので。

しっかり乾いたら植え付けていきます。

もじゃさん的実験 水耕用の根っこを付けたままミズゴケに植えてみよう

はい、水耕用の根っこは切ってしまいましょうと言っていたくせに!
でもとりあえずやってみます。

用意するのは大きめの素焼き鉢(6号)とミズゴケ
素焼き鉢とミズゴケ

 

まず根っこのついたハオルチアにミズゴケを巻き付けます。
ハオルチアの根っこにミズゴケを巻き付けてます
※根っこがすでにしおしおしてきてますw

根っこを優しく包むために初めに土台になる部分を作って
その後根っこの外周にミズゴケを巻いていきます。
ミズゴケで根っこぐるぐる

 

それと鉢の準備です。底穴に網を敷いてミズゴケを詰めていきます。
え?こんなに入れるの?ってくらい入れていきます。
グググッと詰めるのです。

ミズゴケ In 鉢

 

鉢の縁よりちょっと高いくらいにセットしたいなーと思うので
ミズゴケを巻いたハオルチアをどの辺まで植えたらいいか深さを確認します。

ハオルチア高さ確認

 

先ほど確認した高さになるようにざっくりミズゴケを詰めてある程度固定します。
詰めぐあいはこの時詰めすぎると後で修正効かないので固めのスポンジ程度の詰め具合にします。

ミズゴケ詰め詰め

そして、がっと手を突っ込んでミズゴケを詰めるスペースを空けます。
かなり大胆にがっと行きます(`・ω・´)シャキーン

がっとミズゴケを寄せてます。

 

ぐっぐっぐと空いたスペースの倍くらいの量のミズゴケを詰めます。
ミズゴケめっちゃ詰める

これを周りに満遍なく行います。
ハオルチアが中央に来るように調節しながら入れます。

あ、ちょっと右に寄ってしまった・・・。
と思ったら、左側に少し詰めて微調整をします。

植込み終了

おおむね中心に来たのでオッケーとします。
高さも大体確認した通り。

ちなみに、鉢植えするときに大事なのがウォータースペース
土壌の上端から鉢の上までの水やりの際に水が溜まる空間のことです。

ココが少ないと水やりしてもあまり水が染み渡らず
鉢の中で湿り具合が不均一になりやすいです。

 

で、植替えが完成したのですが。。。
出来たハオルチアの植替え

3日後に確認したところ、ポコッと株が抜けました。

そうです、根腐れです。
(もしくは根っこが折れたか。。。)

何にせよ、水耕用の根っこがなくなってしまい、植替えはやりなおし・・・

ません(・∀・)

取れて腐れてしまった水耕用の根っことその周辺をカッターで切除し
1週間ほど乾かします。

その後、面倒くさいのでそのまま作ったミズゴケの鉢に乗っけます。

発根には接触刺激(物理刺激)も必要なので根っこの出る基部を
どこかに接触させておくのは大事なことです。

そんな感じで、しっかり乾燥させた後で乗せて置いたら5日くらいで
新しい根っこがちょろっと出てきましたヾ(*´∀`*)ノ
ちょろっと出た土耕用の根っこ

この実験をやってから1か月近くたっていまして
今ではしっかり根っこが生えて成長も始まってます。

そんなわけで、水耕栽培から土耕栽培に移す際は
やっぱり水耕用の根っこは切除した方が安全です。

ハオルチアの水耕栽培と植替えなどの総括

今回は腐ってもたまたま致命傷にならなかったものの
腐ると時期によってはえらい勢いで病原菌が繁殖するので
1日目を離しただけでも腐って枯れてしまうこともたまにあります。

植替えをする際は、ハオルチアに生乾きの傷口がないか確認して
清潔な植替え資材で行いましょう。

あとは、ハオルチアは多肉植物の中でも乾燥に対してはかなりタフなので
経過を見守るってもの大事です。
すぐに結果が分からないので信じて待ってあげてください。

水耕栽培時も多少根っこが無くても生きていくことができるので
チョット根っこの様子が変だなと思ったら
思い切って根っこを切除して乾かしてからやり直してください。

もじゃさんも結構根っこを切り直したりしてやり直すことが多いですw

ハオルチアって面白いですね。
是非、楽しいハオルチアライフを送ってください( ´∀`)bグッ!

ハオルチア自生

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