多肉植物の真夏の管理の仕方 ~本当の敵は気温じゃない!~

多肉植物の真夏の管理の仕方 ~本当の敵は気温じゃない!~

真夏は多肉植物にも人にもしんどい

ああああつぅぅぅい!

真夏は多肉植物にも人にも大ダメージです。
なんだったらもじゃさんは腐れます(´・ω・`)

真夏の太陽

人は涼しいところに移動したり
水やアイスを食べたりで体温下げたり環境を心地よく自主的に管理できますが

多肉植物をはじめ植物は植わっている土壌とその器が
環境の大きな制限になってきますので厳しい環境から逃れるのは難しいです。

そのかわり、植物は環境に慣れるという特技もありますので
その特性をよく理解して真夏の厳しい環境を乗り越えましょうヾ(*´∀`*)ノ

夏に多肉植物が腐るのはなんで?

夏の暑い時期になると
SNSでは多肉植物が腐った・枯れたという投稿を良く見るようになります。

夏の直射日光や暑さでダメになった、と思う方は多いと思いますが
原産地のことを考えると直接的な原因とは考えにくいです。

ちなみに、もじゃさんの多肉植物を育てている温室はこの時期よく40度を超えますw

だけど枯れたり根腐れたりするものはほぼありません。

考えられる原因は、やっぱり根がダメになることです。

サボテンの水耕栽培

真夏は水を一杯あげなくてもちょっとの水が残っていると蒸し焼きになって
根がいっぺんにダメになってしまうことがあります。
逆に土がからっからでも根が焦げるということもあります。

真夏に多肉植物が腐る原因は【鉢が熱くなること】

でも、外気温ではありません。
日光によるところが多いです。

強い日差して鉢や培養土が熱せられる、
株が日光に長時間当たっていたため熱くなりすぎた。
多肉植物は水をあげずに1か月だって平気な顔するやつもいるのに
2,3日で枯れて死んでしまうのは

熱で根がダメになり病原性細菌感染でどろっと溶ける基本パターン

あとは、葉っぱをはじめ体温が上がりすぎて生命維持に
必要なたんぱく質が熱でやられて機能しなくなったため死んでしまい枯れるパターン。

生きている葉っぱはその体内の素晴らしいさまざま調節機能で
暑かろうが乾いていようが耐えるようにできています。

死んでしまえばそれらの機能がすべて停止しあとは崩れていくだけです。

株本体から離れても生きている葉っぱってすごいですよね!
多肉植物は本当に不思議です!

鉢が熱せられて多肉植物が枯れるパターン

要するに日光に当たりすぎて鉢の中が高温や超多湿になるのです。

多肉植物にはプラ鉢を用いることが多いと思いますが
直射日光が当たればすぐに熱くなりますし、
当たらなくとも高温期は培養土の中が蒸れてしまえば
蒸れた空気の逃げ場ないので根が蒸し焼きになります。

枯れた植物

鉢が小さければすぐに高温になって根が焼けて

鉢が大きすぎれば残った水で蒸されて根がゆだってしまいます。
鉢が大きすぎると根っこが届かないところでは結構水が残っていることがあります。

最近ではリメ缶を使う方も増えてきてまして
金属は日光が当たったらすげぇ熱くなります。あっという間に焦げます。

鉢の中の温度に関して、意識がいかないのは鉢を置いている地面や壁のこと。

輻射熱というものがあります。
アスファルトやコンクリートなどが日中熱をため込んで
電磁波形で熱を放射するため直接熱を伝えます。
結構ダメージが大きく、株や鉢がものすごく熱くなることがあります。

輻射熱を遮るような板やシートを置いておくとかなり軽減できますので
毎年多肉が枯れる方は試してみると良いです。

・遮光ネット(黒) 遮光率75%くらいあれば十分かと思います。

・黒だと熱がこもるので銀色とかグレータイプの遮光ネットもおすすめです。

 

個人的には素焼き鉢が通気性も良くて熱も防いでくれるのでお勧めですが
水やりの管理の仕方に癖があるのでちょいと難しいです。

植込み終了

↑植え替えて1か月経ちますが今もすげぇ元気です。

 

スリット鉢が最近ではよく使われるようなので、こちらが手軽でよいかと思います。
スリット鉢は鉢の底穴だけではなく側面にスリットが入っているため通気性排水性に富み、そこから光が差し込むため根の張りも良くなるという素晴らしいアイテムです。


↑これは兼弥産業さんのスリット鉢で鉢メーカーでは有名です。
胡蝶蘭栽培では素焼き鉢でお世話になっています。

ちなみに、根っこは想像以上にデリケートです。
人間の腸をベロンとひっくり返したものと思えば
どれだけデリケートかイメージ付くと思います。

さて、ではどうするのが良いかというと
基本に立ち返るのが一番です。

直射日光に当たらない、風通しの良いところ

に置くのがいいです。

直射日光に当たらなければいいのねと緩く遮光をしているとやられてしまうので
思い切って80%以上遮光しちゃってもいいと思います。
どうせ夏は休眠していることが多いですし。

風が通らないと熱や湿気がこもるので、風通しは確保してください。
何だったらサーキュレーター:送風機を設置して常時風を回しておくと
温度も下げれて一石二鳥です。

・水槽用のファンですが大きさも丁度良いので
多肉さんスペースが小さいときには良いかもしれません

あと、油断ならないのが西日です。
16時過ぎると日射も暑さもマイルドになって一安心と思って
遮光を取ったり、西側が遮光していなかったりで西日をもろに浴び続けると

葉焼けします。

紫外線のダメージは強さもそうですが浴びる時間も関係してきます。
暑さのピークが過ぎた16時くらいから日光浴と思って多肉さんを日に当てておくと

焦げる可能性が高いです。

安全のために、日が照っている間は遮光しておきましょう。

株の温度が上がりすぎて枯れるパターン

これはもう単純に原因は
強い光に当てすぎと風通しの悪さです。

多肉植物はCAM植物に属するものがほとんどで
日中は水蒸気や空気の出し入れをする穴の気孔を閉じています。

植物は気孔から水蒸気を放出する蒸散をすることによって、
気化熱を奪い体温を下げます。
春萌

多肉植物は葉っぱの表面にはクチクラ層というワックス状の厚い層があり
気孔を閉じるのと一緒に蒸散を防いでいます。

蒸散ができないので多肉植物は葉っぱの色を白くしたり、粉っぽい鱗粉を付けて
体温の上昇を防いでいますが・・・

水を多く含んでいることから温度は上がりにくいですが
一度上がると下がりにくいのも特徴です。

株の温度が上がりすぎて枯れてしまうのが多いのは
葉っぱの色が濃くて株の小さい玉葉とか、葉っぱのうすい万年草系
は高温期の日光を浴びすぎると簡単に枯れてしまいます。

なので、遮光をしたり風が常に流れている状態にしたりで
熱くなりすぎない環境を作ってあげるのが大事です。

一旦まとめ 夏に多肉植物を枯らさないために

多肉植物は高温と乾燥に耐えるように進化はしているものの
原産国にない環境の高温多湿は苦手です。

原産国の様子を知るのも多肉植物の夏越しの重要なヒントがあります。

ちなみに日本原産の多肉植物の子持ち蓮華とか爪蓮華などは
元から慣れているので夏越ししやすいです。

なんにせよ、環境管理で大事なのは

遮光と風通し、水をやるタイミングと量です

遮光は80%以上日光をカットするくらいのつもりで
遮光ネットやヨシズをかけてあげると良いです。
西日は意外と強いので長時間当たらないようにする。

風通しは部屋置きなら冷房の風が直接当たらないようにして通風を確保する。
冷房を使ってない部屋の場合は、換気をしっかり行う。

外置きの場合は、壁やネットで風が当たらないようになっていないか確認する。
風通しが悪い場合は送風機などを設置すると温度も下げれて効果的です。

といったところです。

夏を無事に超すことができてくれれば、
秋涼しくなってきたらきれいな紅葉を見ることもできる品種も多いともいます。

ちょっとしたコツはありますが、
以上のポイントを意識することで生存率はだいぶ違うので
レッツトライです( ´∀`)bグッ!
多肉植物寄せ植え

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