5月27日の誕生花と花言葉は
マトリカリア
花言葉は「鎮静」「集う喜び」
この花言葉は、マトリカリアの薬効の一部とされる鎮痛、消炎作用からきている言われています。
マトリカリアの雑学
マトリカリアは、ジャーマンカモミールの学名(Matricaria chamomilla)にも入っていますが、シカギク属(Matricaria / 別名:マトリカリア属)に属していたことが由来で、園芸上の流通名として広く認知されました。
現在では分類が変わりヨモギギク属(タナセツム属:Tanacetum)に属します
本来の和名はナツシロギクという名前になります。別名はイヌカミツレです。
ということで、改めて夏白菊の基本情報です。
マトリアカの基本情報
原産地はヨーロッパ南西部~西アジアとされ、主にアナトリア半島やバルカン半島、コーカサス地方に分布し、岩場や広い土地など日当たりの良い色んなところで自生しています。
本来は多年草なのですが、耐暑性はあまり強くないため日本の高温多湿に耐えられず枯れてしまうため1年草として扱われます。
開花期は5月~7月で、採種出来たら乾燥させて秋ごろに撒くと翌年も楽しめます。
花の種類にはカモミールのような筒状花の部分が盛り上がるタイプのものや、デイジーのような舌状花から筒状花まで扁平なものも理ます。
また、八重咲のものやピンポンマムみたいな丸やドーム状に咲くものもありバラエティーに富んでいます。
マトリアカの品種 一例
ナツメシロギク
Tanacetum parthenium
マトリカリア カルロス
Tanacetum parthenium ‘Carolus’
マトリカリア シングル・ペグモ
Tanacetum parthenium ‘Single Pegmo’
その他、薄い青色のものや黄色のピンポン咲きのものまで多種多様です。育てやすいので園芸初心者の方にはお勧めです。
ハーブとしてのマトリカリア
マトリカリアは薬草として扱われ、ハーブとして扱われるときはフィーバーヒューという名で流通することが多いです。
古来より解熱剤・頭痛や関節炎や消化器官異常の薬として用いられてきました。
成分と作用
ギリシャ時代では偏頭痛や生理痛などの激しい痛みを和らげるために、生の葉を摂取していました。このことから奇跡のアスピリンと呼ばれ、その効果が珍重され研究の対象になってきました。
1980年代にはイギリスの医学雑誌「ランセット」で、パルテノイド(パルテノリド)という化合物が偏頭痛や生理痛などに効果があると発表されました。
パルテノイドはナツメシロギクから単離・同定されたので学名のpartheniumが由来となっています。
パルテノイドは脳内のセロトニン放出を抑制することで脳血管の収縮を抑え偏頭痛痛みを和らげ、光過敏症やめまいなど、脳内の血圧が高くなることで引き起こされる症状にも有効なことが明らかになりました。
また、脳血管の血圧低下や血流増大による消炎効果も認められ、リウマチや生理痛、関節炎にも効果的とされています。
他にもカンファーやボルネオールなどの樟脳系の精油成分が含まれ、キク科特有の苦みと香りの元となっています。
こちらも消炎鎮痛、抗菌、抗うつに加え、防虫作用も認められています。
見た目はカモミールに似ていますが、味は結構強烈なので、レモングラスとかカモミール、オレンジピールなど美味しい系のハーブと合わせてティーにすると飲みやすいと思います。
作用も強烈なので禁忌が多いです。
妊娠~授乳期の方、2歳以下の幼児、キク科アレルギーの方には与えないでください。抗凝固剤をしている人、血圧に関する治療、投薬中の人は医師に相談しましょう。
マトリカリアの利用方法
カモミールは花の部分を主に使いますが、フィーバーヒューは主に葉を使います。花の部分はポプリにして飾ったりお風呂に入れても良いですよ。
飲み方はドライリーフ大さじ一杯くらいをポットに入れ3分くらい抽出します。
スッとする香りと多少の苦味があります。好みに合わせて調節しましょう。
サンドイッチやサラダなどに生の葉を混ぜて食べてもアクセントになって美味しく召し上がれると思います。
マトリカリアの育て方
まぁ、キク科のハーブなのでそこそこ適当でも育ちますw
と言ってしまうと身も蓋もないですが、かなり育てやすいです。
水やり
鉢植えの場合は土が乾いたら土全体が鉢の底から流れ出るくらい水を与えましょう。
地植えの場合は特に必要ありませんが、晴れが続き葉に張りがなくなったらさっと土を湿らせてあげる程度で大丈夫です。
また、過湿に弱いので水のあげすぎ、雨の当たり過ぎには注意しましょう。
用土
ホームセンターで売られている花と野菜の培養土を使うのが一番簡単でよいと思います。
ブレンドして作るのであれば
中粒の赤玉土5:腐葉土3:ph調整済みのピートモス2にリン酸分の多い緩効性の肥料を混ぜると良いです。
酸性土壌は苦手なので、ph調整していないピートモスを混ぜると酸性に傾くので注意してください。土作りをする時に、土1リットル当たり2gの苦土石灰をまぜると丁度良いです。もみ殻燻炭を混ぜても水はけ改善になりますのでおすすめです。
肥料
生育期に当たる3月~5月、10月~11月に月1回、緩効性肥料を与えます。
春の施肥は花用に5-10-5のようにリン酸が多めのものがおすすめです。秋には株の生育を促すために8-8-8のような均等に配合されているものが良いでしょう。
- いろいろな野菜の生育に必要な15種類の栄養素をバランス良く配合した液体肥料です。
- アミノ酸配合により、おいしい野菜をつくります。
- 良質の原料を使用した肥料なので、収穫後、安心してお召し上がりいただけます。
日当たりなどの置き場所について
お日様大好き、日当たりの良いところにおいてあげてください。
冬は休眠しますので、外に出しておく場合は風の当たらない場所、極端に冷えない場所においてあげると良いです。敷き藁や寒冷紗などをかけて防寒対策もしてあげると冬越しが容易になります。
夏越しは難しいので、割り切ってしまうことが大事です。
夏を越したいときは高温多湿を避けて鉢植えであれば屋内の涼しいところに取り込んであげましょう。地植えの場合は遮光ネット、ヨシズなどを駆使して極力温度が上げず風通しを確保します。
まとめ
花言葉が鎮静になってしまうように、ハーブとしてかなり強力な作用を持っています。
丈夫で育てやすく花も楽しみやすいのでガーデニング初心者にはすごく楽しい植物だと思いますのでホームセンターや園芸店で見かけた際にはチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
余談:発毛剤について
効果は明らかになっていませんが、パルテノイドには発毛効果があるとして発毛剤に使われています。
まじか!と思って調べてみましたが、出典が分からないですし、なんかぼんやりした書き方が多いので、まあそういう事なんでしょう。
関節炎持ちの人にマトリカリアを摂取してもらったところ毛髪の薄いところに産毛が生えた!という逸話があるらしいです。
パルテノイドには血管拡張による血流増大があるのでそれが頭皮の血流を上げて発毛につながったんじゃないかなーと思っていますが、明らかになっていないので続報待ちですね。
自分で育ててこっそりぺたぺたしてみようと思います。
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