いや、ほんと何してんすかね、って感じです。
というのもですね、先日うどんこ病についてのブログ記事を書いたんですよ。
ハオルチアを始め多肉植物も罹るって天下の住友化学園芸さんもおっしゃっていますし、実際に罹って困ったっていう人もいるんですよね。
でも、もじゃさんのとこの多肉はかかったことないんよ。だから写真の資料がなかったの。
そんなわけで、うどんこ病に感染して、そこから治癒ところまでの経過をもじゃさんと楽しく観察していきましょう。
8月21日 1日目
ということで、まずはうどんこ病の原因となるカビ菌を探さなければいけません。
ウドンコカビは土壌にも潜む糸状菌なので捕獲用のタッパーには気持ちばかりの培養土を敷き詰めます。
しかしですね、この酷暑。近年まれにみる酷暑ですよ。
うどんこ病もぐったりです。
※ウドンコカビの胞子は30度以上では作られません。
土の入ったタッパーを持ちながら
炎天下の中うどんこ病にかかった草を探すおっさん。
つい先日まではそこら辺のアジサイはこれでもかってくらい真っ白だし、道に生えているイネ科の雑草もコナコナしていたのに、なんという事でしょう。
ないよね(´・ω・`)
絶望が心を支配し、視界が闇に覆われ、あきらめかけたその時
あった、あったよ、お母さん!
灯台下暗しとはまさにこのことです。
仕事先の花壇に生えている雑草の達の中に神々しくもうどん粉をぶちまけられたかのような偉大なるはっぱを携えて鎮座されるノゲシ様(多分)
病気になっている雑草を見つめて嬉しそうにニヤニヤしているおっさん。
多分この瞬間、香取市と言わず日本で一番気持ち悪いおっさんだったと思います。
うどんこ病の被害にあっている患部の拡大写真
うどんこ病だよね。。。
さて、こいつをタッパーで持ち帰って多肉をぶっこみます。
ぶっこまれる多肉さんたちはこちら
- 本命◎:シソ科プレクトランサス属 アロマティカス
- 対抗〇:ベンケイソウ科クラッスラ属 花月(金のなる木)
- 単穴▲:ツルボラン科ハオルチア属 宝草
- 連下△:サボテン科ギムノカリキューム属 ダイソー産の何か
この子たちをタッパーの中にIN
家の中では封です。他にも多肉さんがおります故。
とりあえず夜に外に出してタッパーの蓋を開けて放置です。
夜なら30度以下だし何とかなるでしょ。
頑張れウドンコカビくん。僕にブログ用の資料とネタを提供するんだ!
8月22日 2日目
朝、暑くなる前に様子を確認して回収しようとすると
感染元の雑草が弱ってるーΣ( ̄ロ ̄lll)
お前はまだ頑張らなければならないんだ、しゃきっとしてくれぃ!
根っこ付近に水やりをしてから封をし、冷暗所に静置。
と思ったら、なんかガタガタいうので覗くと
カエルおったーΣ(゚д゚lll)
すまぬ。気が付かなかった。
カエルは実験に不必要なので逃がしてあげました。
多肉の様子は全然変わっていないし、前途多難である。
8月23日 3日目
今日は久しぶりにしっかりと雨が降りました。
気温も低めですが、多肉たちは元気です。
むしろ、感染元が元気なくなってきたよ(´・ω・`)
うどんこ病にかかった葉っぱが一枚枯れおった。
移植の際に根っこを痛めたせいだと思うのですが、もったいない。。。
多肉さんたちに感染してないかなーと覗き込んだら
なんと!
まさかの!
うどんこ病が!
ありませんでしたー(ゴチ風)
あ、
コナジラミ・・・・
まじかよ、めんどくせぇ・・・。
で、他のやつにはうどんこ病が感染してないか舐め回すように観ていると
あ”ぁ”
畳に土こぼしたΣ( ̄ロ ̄lll)
多肉は元気だし、コナジラミは付くし、土はこぼすし。。。
じーざす(´・ω・`)
これはもしかしてかからないパターンなんじゃないかと疑ってみる。
もじゃさんは日ごろ木酢液やEM菌の発酵性栄養剤をよく使っているので感染できないのでは。。。と思いました。
とりあえず、明日マキロンで葉っぱ拭いてみるか?
8月24日 4日目
昨日の雨の影響で今日も涼しいですが、多肉植物は依然として元気です!
病原菌の感染は、要するに陣取り合戦で先に他の菌がべったり居座っていると後から来た菌は感染できない、ということが往々にしてあります。
今日は、ならば一旦リセットしてみようではないかという試みです。
謎の消毒液マッキンZと多肉たち
前日の反省を踏まえて、作業するときは下に新聞紙とボードを敷きました。
マッキンZの含有成分は
- ベンザルコニウム塩化物:消毒剤。一般細菌には効果があり、真菌には高濃度で効果ある
- 塩酸リドカイン:麻酔薬、痛み止め
- ナファゾリン塩酸塩:血止め
- クロルフェニラミンマレイン酸塩:抗アレルギー剤
消毒剤が真菌にはあまり効かずに一般細菌には効果があるということは、ウドンコカビだけ残るとかミラクル起こりうる?
というわけで、消毒剤を噴霧
汚物は消毒だー!
サボテンは棘が痛そうなので拭き取りません(強い意志)
金のなる木とか他のやつはしっかり拭き取ります。
とりま、1週間様子見てダメだったら次の手を打とう。
8月25日 5日目
タッパーの中には特に変化がなかったので、今日は高振動しようと思っていたところなのですが、外で大事件が起こっていました。
全くノーマークだった家庭菜園というかプランターのきゅうりがうどんこ病に感染。
結構がっつり発病しているので、7日目まで見てダメだったらこいつを感染源にして実験続行してみよう。
8月26日 6日目
ついに多肉さんに異変が!
アロマティカスさん、染みる。
発生初期なので症状の確定は難しいのですが、高温障害か灰色かび病ですねー
患部が広がれば灰色かび病。広がらなければ高温障害って感じです。
灰色かび病は胡蝶蘭育てていた時には、死に物狂いで防いでいましたが、ちょっとした油断でハウス一棟壊滅状態にしたこともあります。胃がひっくり返るよね。
胡蝶蘭のはこれ。茶色い点々が灰色かび病の原因菌ボトリチス由来のシミ↓
これが出ると、売り物にならなくなっちゃいます。まぁ、多肉でも一緒ですけど。。。
湿度100%で結露が植物表面にできて長時間濡れたままだと、こんな感じで発症します。
うどんこ病実験中のタッパー内の湿度は蓋を締めている時間も長いので湿度マックス。
そして、前日のマッキンZで拭いたことで防御力がゼロになったところを狙われたのかなーと考察します。
今まで同じ環境でならなかったってことは、期せずしてもじゃさんとこの多肉が最近系の病気に強いかもしれない、という仮説が誕生しました。
これってトリビアになりませんか?
色々観察対象が増えてしまいましたが、明日でいったん一区切りですね^^
8月27日 7日目
はい、1週間経ちましたが、この様です!
うどんこ病感染せず!
特にアロマティカスさんは病状が悪化したので、しっかり治して、というか仕立て直していこうと思います。
Twitterでもコメントをいただきましたが、宿主特異性が強いので適した菌でないと感染しないのです。
ただ、いろんなサイトを見て回っていたらバラのうどんこ病を抑えたら多肉のも収まったっていう記事があったのでノゲシでもワンチャンあるかなー、という感じで見切り発車的にスタートしたのです。
先に調べろよっていう話ですよ。
で、7日目に調べてみたら以下のことが分かりました。
うどんこ病に感染する植物種とそれに対応する細菌種
・ノゲシ
Podosphaera xanthii (Castagne) U. Braun & Shishkoff
・カランコエ、オシロイバナ、キンセンカ、ソバ、タデ類 、ツキミソウ、ニワトコ、バークローバ
Erysiphe polygoni
・ベンケイソウ類
Erysiphe polygoni, Erysiphe sedi
・ミント等のシソ科
Oidium sp.など
参考サイト:農業生物資源ジーンバンク-日本植物病名データベース
ノゲシ、かすりもしなかったっすねorz
次回は感染する植物のうどんこ病をちゃんと捕まえてこようと思います。
後日談
実験終了後に動きのあったものとか、これは伝えといた方が良いだろうという後日談です。
5日目の8月25日にプランターの地這いきゅうりがうどんこ病にかかったやつで、木酢液を毎日シュッシュしていたら菌を抑えることができました。
菌が繁殖した場所は黄変してますが、菌糸はなくなっていますので治癒したとみても良いでしょう。軽症のうどんこ病にはとりあえず木酢液は有効なようです。
んで、実験終了後のタッパー組ですが、農場にもって行こうと思っていて、しばーらく蓋をしたまま忘れていました。
車に乗っけておけば忘れまい、と思って乗せたら乗せたで案の定忘れまして一週間ぐらい暑い車内に放置されました。すまんかった。
9月7日ようやく農場に連れていきました。アロマティカスは多肉にカテゴライズされていますが、シソ科で乾燥耐性や高温耐性が強いわけではないので枯れてしまっています。すまぬ。
で、やっぱり強かったのがサボテンとハオルチア、金のなる木です。こいつらは全耐性持ちかってくらい強いですね。ぴんぴんしていました。
で、感染しないとはいえうどんこ病持ちやその他カビ菌のうようよしていたタッパーに長期間入っていたので、まあこのまますぐ温室に入れるのもアレかなーと思って、農場の外に「一晩だけ」出しておこうと思ったら
やっぱりですよ。
9月12日まで出しっぱなしにするあほなんです。
でも、無傷です。9月中旬とは言えそこそこ熱く日差しも強いので焼けるかと思ったら無傷。こいつら超つえー。
このことから言えるのはギムノカリキューム属のサボテンとハオルチア(宝草)、そして金のなる木はめちゃくちゃ強いので多肉初心者にはおススメかもしれないです。
今は温室でぬくぬく育っていますよ。
ということで、このうどんこ病の実験はここでいったん終了です。カランコエやオシロイバナのうどんこ病がみつかったら、再度実験をしてみようと思います。
長い事ご覧いただきありがとうございましたヾ(*´∀`*)ノ
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